かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ジャック・ルヴィエのドビュッシー2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ドビュッシーのピアノ作品をシリーズでお送りしていますが、今回はジャック・ルヴィエのアルバムを再び取り上げます。

この音源は、ルヴィエの全集の第3集です。借りた理由はこのシリーズを最初から読んでいただいている方はお分かりだと思いますが、全集のつもりです。

ですが、全集を借りてきているわけではないので当然ですが、重複する作品もある訳でして、その中でこれまでこのシリーズのエントリでは出てきていない作品は、「スケッチブックから」、「コンクールの小品」の二つだけです。

ですから、この音源は私に取りましてはそれまでの演奏者との比較という意味合いが強いアルバムで、興味深いものです。

そのため、今回はいきなり演奏に入ります。なぜなら、「スケッチブックから」はその名の通り、様々な作品を収めた作品集だからです。作曲は1904年。この作品をなぜルヴィエは収録したのか・・・・

演奏はとても色彩感に溢れています。小川女史よりもむしろ中井女史に近い演奏です。音をはっきりと表現し、テンポをいくぶん速めにすることで音を際だたせ、その結果作品のディテールがくっきりと浮かび上がってくるのです。

それはまるで象徴主義の絵画に似ており、ルヴィエが印象派一辺倒でドビュッシーを見ていない確たる証拠なのです。

ドビュッシー : スケッチブックから
Debussy, Claude Achille : D'un cahier d'esquisses
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/651/

ドビュッシー印象派・・・・・そのように学校では習いますし、恐らくそう答えなければ先生は×をつけるでしょう。しかし私が先生なら、象徴主義と回答しても〇にします。ルヴィエの演奏はまさしく、そのドビュッシーの音楽が持つ二つの特質を見事に映し出した、名演であると言えます。

こういう演奏にどれだけ触れるかで、ピアノを実際に弾ける人は演奏面で、そして私たち聴衆としては、多面的に見ることが出来ることで受け取るメッセージが増えると言う点で、実に豊かにしてくれます。その点では全集がないということはメリットもあると思いますし、もしかすると県立図書館が全集を持っていないのは、ドビュッシーという作曲家は印象派という一面だけではないと言うことを判ったうえなのかもしれません。そうだとすれば、下手な音楽関係図書館に行くよりは、神奈川県民であれば、県立図書館で事足りると言えるでしょう。

東京都は果たしてどうするか?それは今後精査すると致しましょう。取りあえず都民は、東京文化会館なのかなあとも思いますが、貸出不可ですからねえ。現地で聴いてしっかりと耳に焼き付けるということになりましょうか。貸し出している市もあるので、そういった自治体にお住まいの方は是非、なるべく違う演奏家の音源を借りて、聴き比べることをお奨めします。




聴いている音源
クロード・ドビュッシー作曲
子供の領分
ベルガマスク組曲
2つのアラベスク

スケッチブックから
英雄の子守歌
舞曲
マズルカ
夜想曲
かわいい黒人の子供
コンクールの小品
レントよりも遅く
ジャック・ルヴィエ(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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