かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:小川典子のドビュッシー1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ドビュッシーの作品をシリーズで取り上げていますが、今回は小川典子のアルバムをご紹介します。

県立図書館からは小川典子のアルバムを3つ借りてきており、それぞれ味わい深いものです。と言っても、私は全集のつもりでそれぞれを借りてきていますから、当然ですが小川典子ですべて固めたわけではありません。

さて、今回は小川典子がシリーズで出したアルバムから、第2集をご紹介します、今では全集でまとめられていますので、神奈川県外の方は是非とも店頭で確認してみてはいかがでしょうか。

この第2集を借りましたのは、収録曲の中で、「舞曲(スティリー風のタランテラ)」「バラード」「ロマンティックなワルツ」「マズルカ」「ノクチュルヌ」「ボヘミア風舞曲」の6曲が収録されているからです。どれも小品としては有名な作品ばかりです。

これらの作品は比較的初期の作品でありながらも、シンプルにドビュッシーの音楽を体現できる作品だと思います。幻想的なその音楽は、一見すると印象派のように見えます。しかし、実際にはとてもシンプルが故に、象徴主義の音楽として描かれていることに気が付かされます。

小川典子女史は、テンポとしてはゆったりめで演奏していますから、私たちも印象派と勘違いしてしまいがちですが、実際には単なる印象派ではなく、象徴主義もそこには隠されていることを、そのゆったりとしたテンポで語っているのですね。これは私が沢山のドビュッシー作品の演奏を聴いてきたからこそ言える事であって、借りてきた当時は「やっぱり印象派で切っているなあ」と勘違いしたものです。

そのゆったりとしたテンポは、余韻を響かせるものであり、それ故印象派のように感じてしまいがちですが、じつはその余韻という点にこそ、ドビュッシーの作品には様々な要素が隠されているということを語っているのですね。表面的に聴けば、音に様々な色が混じっていると感じてしまいます。決してそれが間違っているわけではないんですが、その「色」と感じる者が一体何を表現しているのかをかんがえながら耳をかたむけますと、がぜん違ったメッセージが音楽から伝わってきます。

その意味でも、この演奏は非常に表情が豊かです。音色だけではなく、底に込められた意味も豊富です。その上で、ドビュッシーという作曲家の作品を俯瞰する要素も含まれています。見事なアルバムです。演奏者だけではなく、レコーディングエンジニアや、編集者の力量も誉めるべきアルバムだと思います。




聴いている音源
クロード・ドビュッシー作曲
アラベスク第1番
アラベスク第2番
舞曲(スティリー風のタランテラ)
バラード
ロマンティックなワルツ

ベルガマスク組曲
マズルカ
ノクチュルヌ
ボヘミア風舞曲
ピアノのために
小川典子(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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