今月のお買いもの、平成27年11月に購入したものをご紹介しています。今回は銀座山野楽器にて購入しました、モニューシコの「オストロブラムスカの連祷」のアルバムをご紹介します。
実は、この作曲家のこの作品、CDをずっと探していたのです。それはもう、20年も・・・・・
この作品に初めて出会ったのは、混声合唱団「樹林」の定期演奏会ででした。1995年11月26日日曜日、場所は虎ノ門ホール。
混声合唱団「「樹林」 第8回定期演奏会
http://jurin.kokage.cc/teien/teien08.html
なんと嬉しいことに、この時の演奏会のプログラムが、PDFになっているではありませんか!私も持っているかとは思うのですが、もう何処に行ったか分からなくなっていたところ、ネットにこうやって上がってくれていることは、感謝の念でいっぱいです。
http://jurin.kokage.cc/teien/teien08.pdf
モニューシコのこの作品については、9ページに載っていますので、詳しくはそれを観ていただくのが一番いいのですが、モニューシコは19世紀ポーランドで活躍した作曲家で、歌劇や合唱作品を多くのこした一方、教育にも情熱を注いだ人でした。
モニューシコについて
http://sunday-harmony.jpn.cx/Moniuszko.htm
で、オストロブラムスカの連祷は、ヴィルノのオストロブラムスカ礼拝堂のアマチュア合唱団のために1855年に作曲されました。上記二つのURLは実はともにこの作品を初演した団体で、樹林は最後の第4番を、そしてサンデー・ハーモニーさんは第1番を初演しています。
ですから、おそらく、全曲が演奏されてはいないのではないかと思われます。ですので、わたしとしては是非とも、全曲が聴きたいと樹林の第8回定期演奏会を聴きに行った時から、ずっと思いつづけ、CDを探していたのでした。
実は4つとも殆ど同じ歌詞を持っています。実は連祷自体はこのブログでもモーツァルトの物をご紹介しています。つまりは、リタニアの事なのです。
リタニ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%BF%E3%83%8B
マイ・コレクション:モーツァルト宗教音楽全集7
http://yaplog.jp/yk6974/archive/765
基本的に、リタニアは5つの部分から成っていますが、このモニューシコのは4つだったり5つだったりします。もっとも、私が取り上げた、例えばモーツァルトのK.243などはもっと細かく分かれていますが・・・・・
基本は、5つの部分から成っていると考えていいでしょう。この4つは第1番から第3番がオケ伴奏、第4番だけがピアノ伴奏となっています。各作品とも、樹林のプログラムで書かれている通り、カンタータのような様式を持っていて、フーガよりも軽易なものになっています。伴奏が先導して合唱が出ると言う形が多く、それはアマチュア合唱団向けに作曲されていると言うことなのでしょう。
それは、モニューシコの教育者としての側面も物語っています。サンデー・ハーモニーさんのページに紹介されているモニューシコの言葉通り、皆が気軽に楽しめるものを目指した結果だと言えるでしょう。まさしく、この作品はモニューシコが目指した「ポーランド国民の音楽水準向上」のための作品だったと言えます。
演奏はポーランド放送合唱団がやはり秀逸です。発声は素直ですし、透明感があり、その二つの要因が作品が持つ明るさを余すことなく表現しています。またオケパートも決して簡単ではなく、単なる伴奏とは言えないものですが、ワルシャワ・バロック管弦楽団は素晴らしいアンサンブルでサポートしているのも好印象です。この古楽オケを使うという部分が素晴らしいと思います。アマチュア合唱団の演奏を念頭に入れた、小編成の演奏をサポートするのには、室内オケが一番いいわけです。そのための選択として古楽オケを使ったのでしょう。素晴らしいです。合掌とオケとのバランスが絶妙で、第4番がピアノ伴奏であるにも拘らず、全く違和感がありません。
伴奏がオケとピアノと異なっているにもかかわらず、統一感をこの演奏からは感じるのです。それはひとえに、オケの選択が絶妙に素晴らしいことを意味しており、ひいてはモニューシコが求めた美しさを極限まで表現するのにも最大限適していると言えるでしょう。
やはり、これはどこかのアマチュア合唱団に、全曲をやってほしいなあと思います。合唱団のライブラリアンは、持っておいて損はない、素晴らしい一枚だと思います。
聴いているCD
スタニスラフ・モニューシコ作曲
オストロブラムスカの連祷
アンナ・デニス(ソプラノ)
マルケタ・ククローヴァ(アルト)
ヴィギル・ハルリンガー(テノール)
ヤロスラフ・ブレク(バス)
ポーランド放送合唱団(合唱指揮:イザベラ・ポロコウスカ・リブスカ)
マグダレーナ・リサク(ピアノ)
ヤチェク・カスプスチェック指揮
ワルシャワ・バロック管弦楽団
(ポーランド放送 PRCD1928)
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