かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団第35回定期演奏会を聴いて

今回は久しぶりにコンサート雑感をお届けします。平成28年11月3日に聴きに行きました、東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団第35回定期演奏会の模様をお届けします。

この演奏会に足を運んだきっかけは、読者の「あき」さんから、お誘いを受けたからでした。11月3日に演奏会がありますので、是非とも、とのことでした。

なかなか、読者の方の演奏会へ足を運ぶ機会など無いので、あればなるべくうかがうことにしているのですが、なかなか仕事の都合で休みだと言っても都合が付くとは限らないのが悲しいところでして・・・・・

今回は、ちょうど木曜日に当たったこともあり、行けることができたのは幸いでした。あきさんの演奏会に参りましたのは二度目。茅ヶ崎での第九以来でした。

あきさんは合唱をやられている関係で、今回も合唱作品がプログラムにあったためお誘いを受けた次第でした。その曲目は、

�@フォーレ レクイエム
�Aブラームス 交響曲第1番

濃ゆい・・・・・

しかも、フランスものと、ドイツものを並べるという、意欲的なプログラムです。こういった挑戦は素晴らしいなあと思います。え、どちらも有名作品じゃないですかって?

でも、この二つの作品が並ぶなんて、そうありません。というか、まずありません。特に、オーケストラの定期演奏会フォーレのレクイエムがプログラムを飾ることなんて、まずありえません。オケが心理用語でいえば「パワーゲーム」を合唱団としてしまうからです。

今回の場合、合唱団がオケの姉妹団体である東京ユニバーサル・フィルハーモニー合唱団だったからこそ、実現できたのではないでしょうか。合唱が入る作品は、第九以外オケは自分たちは伴奏と思ってしまい、フラストレーションがたまるんですね。実際に演奏すればそんなことはないんですが・・・・・

むしろ、今回の演奏では、指揮者の松岡氏が、そんな主従関係に囚われていないように思いました。それはブラームスを聴いて特に思ったことだったのですが・・・・・

東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団は、一応プロオケなんです。だから演奏は文句なし、です、基本的には。

http://www.uniphil.gr.jp/

フォーレのレクイエムにおいては、もうすこし[粘り」が有ればなあという部分がオケにはある一方、それ以外はさすがプロオケなので、素晴らしいアンサンブルです。問題は合唱団でして、そしてそれは一方で指揮者松岡氏のこだわりだったように思うんですが・・・・・

ppとffの差があまり無いんです。あれ〜、そんなに下手じゃないんだけどな〜と、そこが聴いていてとても残念だったのです。最後の「イン・パラディスム」ではしっかりとできていただけに、それが残念だったのです。女声ががんばりすぎなんですね。男声が少ないのですから、女声はもう少し軽く発声してバランスを取ったほうがよかったなあと思います。

それ以外は何の文句のつけようもない、素晴らしい演奏でした。ただ、それは松岡氏が演奏者各自の素直な演奏する喜びを、救い上げただけだったのかもしれないのです。

それを如実に印象づけたのが、ブラ1でした。堂々とした、正統派の演奏は、聴いていて納得でした。そこで気が付いたのが、ブラ1ではあまりppからffを意識してないんですね。もともとそれほどppからffの差がない作品ではありますが・・・・・

二つの作品を、ある意味一つの解釈で演奏してみるという、思い切ったものだったと思います。そう考えますと、フォーレブラームスも、素晴らしい演奏だったと思います。それでも、やはりフォーレのレクイエムはもう少し女声が力を抜いてもよかったなあと思います。

ホールは、ユニフィルさんのホームである、大田区民ホール「アプリコ」。大田区民第九合唱団時代、幾度か私も舞台に立ったホールですので、力をかけなくても声が飛んでいくことはわかりきっていますが、団員はそうでもないのかな〜と思いました。2階席までしっかりと力強い声が飛んでいましたから、自信を持ってppはppにしてください。もっとよくなります。今度は表現することに少し意識してほしいなと思いました。

ブラ1は、50分くらいかかる大曲ですが、もう数分早く終わってしまったんですね。これは驚きでした。でも、そんなに急いでいるという印象はなく、恐らくところどころ「粘る」部分をそぎ落としただけなんだと思います。それでも、作品の魅力は全く失われず、むしろ爽快さが残るものだったのです。

ブラームス交響曲第1番は、ブラームスベートーヴェンの影に半ばおびえながら、長い時間かけて作曲された作品です。どのオケもその畏れを強調しますが、この演奏では、ブラームスの畏れと不安を抱えながらも、作品を作りあげ、表現する喜びに焦点があてられていたように思います。プログラム冒頭の、松岡氏の言葉にあったように、二つの作品への解釈は「喜び」で共通しており、それが特にブラームスで顕著だったのです。

ですから聴いた後、とても幸せな気分でしたし、わたし自身が喜びに包まれていました。ブラ1を聴いて喜びに包まれたのは初めてでした。今回の演奏会は本当に素晴らしいと思います。

お誘いいただいたあきさんには感謝の念に絶えません。これほどの多幸感に包まれた演奏会を聴きに行けることができて、幸せです。コンサートが土曜日だったならば、ユニフィルさんの演奏会には毎回足を運びたいくらいです。残念ながらそうでもないようなのでそれは難しいですが、ユニフィルさんの、喜びに満ちた演奏はとても気に入りました。機会がある限り、聴きに行きたいなあと思います。




聴いてきた演奏会
東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団 第35回定期演奏会
ガブリエル・フォーレ作曲
レクイエム ニ短調作品48
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第1番ハ短調作品68
迫田美帆(ソプラノ)
藪内俊弥(バリトン
東京ユニバーサル・フィルハーモニー混声合唱団(合唱指揮:北側博夫)
松岡究指揮
東京ユニバーサル・フィルハーモニー管弦楽団

平成28年11月3日、東京、大田区大田区民ホール「アプリコ」大ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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