かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:飯森範親が山響で振る「ドイツ・レクイエム」

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回は飯森範親が山形交響楽団を指揮して振ったブラームスの「ドイツ・レクイエム」を御紹介します。

ブラームスドイツ・レクイエムはもう何度も聴いている作品なのですが、日本の、しかも地方の団体の演奏が聴ける機会は、そうありません。

しかも、それが山形となれば・・・・・そりゃあ、食指は動くってもんです。飯森範親は既にこのブログでも日本センチュリー交響楽団とのハイドン・ツィクルスのハイレゾ音源を御紹介していますが、このブラームスでもステディな指揮をしています。

今月のお買いもの:飯森範親指揮日本センチュリー響のハイドン交響曲全集1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1719

ブラームスのように、後期ロマン派でもかなり保守的な作曲家は、飯森氏が得意とするところではないでしょうか。全体的には速めのテンポですが、第1曲は特に速くもなく、カラヤンウィーン・フィルを振った時のような、ゆったりとしたテンポで入るのもいいです。

ロケーションは勿論山形で、テルサホール。これがいいホールで、少なくとも聴いている範囲内では、残響もよく、素晴らしいホールだと思います。そのホールを存分に楽器として、オケと合唱団を鳴らしているのは、さすが欧州経験豊富な飯森氏だと思います。

http://www.yamagataterrsa.or.jp/facility/list/terrsa-hall/

ドイツ・レクイエムの、悲しみを抱擁するような特徴がいい方向で出ているように思います。

演奏する山形交響楽団は、近年モーツァルトなど古典派の演奏で定評のあるオケです。東北で仙台以外にも素晴らしいオケがあることは素晴らしいことだと思います。

http://www.yamakyo.or.jp/

結構安い公演もあり、これなら山形まで聴きに行こうかなって思うくらいです・・・・・え、なら群響のほうが先じゃねって?まあ、そうですね・・・・・そのほうが近いですしね。でも、群響は結構人気が・・・・・あんた、小金井市民オケで、地元の愛が詰まっているオケだと座るの大変だって、思い知ったんじゃって?

・・・・・そうでした。でも、それくらい素晴らしいオケなんです、聴きますと。

ダイナミックさも充分ありますし、オケのタクトに対する反応の良さも、演奏から十分聴き取れます。私の中では、国内演奏ではコア・アプラウスと比肩するくらいの素晴らしさです・・・・・え?どういうことって?

つまりはです、そもそも山形交響楽団の演奏は素晴らしいのですが、それに比肩するくらい、コア・アプラウスが素晴らしいんです。地方オケはすでに東京のオケとそん色ない実力を備え始めています。アマオケは少なくとも超えている、って、当たり前だろ、プロなんだからとおしかりを受けそうですが、私たちって、地方オケにどのようなイメージを持っていますか?

私はこのブログでも、素晴らしい地方オケの演奏を取り上げてきました。九響、日本センチュリー、テレマン室内、名古屋フィル仙台フィル、そして札響。それに、山形交響楽団が加わったのです。

合唱団も秀逸で、山響楽友合唱団と山形大学の有志が中心の合唱団ですが、素晴らしいアンサンブルで表現力もよく、生命力溢れる合唱は、ドイツ・レクイエムをさらに高みへと登らせています。

美しい風景には才能豊かな人が育つといいますが、山形という美しい土地で、懸命に楽譜に取り組む姿勢が、演奏に滲み出ているように思います。善美は何たるかの追求。そんな姿すら、演奏から浮かび上がるから不思議です。

レクイエムというジャンルが持つ、単に悲しむだけではなく、悲しみによる癒しという特質を、ドイツ・レクイエムほど持っている作品はありません。その特質を、特に合唱団はよく理解し、歌っていると思います。どこかに、プロオケとドイツ・レクイエムが歌えることを喜びとしている部分があって、だからこそ生き生きとしているんです。それが聴き手にじんわりと感動を与えます。

できれば、第九も聴きたいなと思う団体です。





聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
ドイツ・レクイエム 作品45
松田奈緒美(ソプラノ)
久保和範(バリトン
山響楽友合唱団・山形大学学生有志(合唱、合唱指揮:菅野年央)
飯森範親指揮
山形交響楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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