かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯森範親指揮日本センチュリー響のハイドン交響曲全集2

今月のお買いもの、今回は平成30年8月にe-onkyoで購入しました、ハイレゾ飯森範親指揮日本センチュリー響によるハイドン交響曲全集プロジェクトの第2集を取り上げます。

第1集を取り上げて早1年以上。第1集がよかったのでその夏に第2集を購入したのですが、なかなかご紹介する機会に恵まれませんでした。ようやく取り上げることができます。

え、日本のオケのどこがいいんだって?まあ、在京のオケばかり聴いていればそんな気にもなるのも分かりますけれど、関西のオケはそうでもないですよ。もっと自在で自由な気がします。

地方オケがハイドンを全集として取り上げるということはとてもいいことだと思います。そもそも日本のオケって結構プロでも人材をやりくりして演奏していることが多く、それはそもそも団員が限られているからです。ではなぜ団員が限られるのか?予算がないからです。

それでも、演奏することがオケの存在意義ですし、その技術も磨いていかなければ固定客、つまりファンが増えません。飯森氏の視点が素晴らしいのは、なら少ない人数でも演奏できる作品を積極的に取り上げようという点なのです。それが山形交響楽団でのモーツァルト交響曲全集(いつかこれも購入したい!)ですし、そして日本センチュリー響でのハイドンなのです。

今、世界中でオケの予算は削減傾向です。完全民間でも行政が深くかかわっていてもです。そうなると、道は二つです。別の収入の道を探すか、現有団員数でやれる作品を取り上げるか、です。ヨーロッパのオケはこの二つを同時にやっていることが多いのですが、日本のオケの場合は後者に偏っているように思います。それが必ずしもいいとは思いませんが、一つの工夫だとは思っています。

ヨーロッパで活動もしている飯森氏だからこそ、ハイドンモーツァルトという発想が出るんですよね。これが日本だけだと古典派だとベートーヴェンだけになってしまうんです・・・・・客入りますもんね。けれどもベートーヴェンだけでは技術的に袋小路に入ってしまうんです。やはりハイドンモーツァルトを演奏してなんぼだと思います。この二人こそ、ハイドンベートーヴェンに、そしてモーツァルトは前期ロマン派に、それぞれ強い影響を与えているんですから。基礎なんです。

で、日本センチュリー響の演奏です。第1集では、生き生きとした演奏を絶賛した私ですが、今回も同様です。ただ、今「東京の図書館から」で取り上げているグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊の演奏よりはどっしりとしたものにはなっています。

今月のお買いもの:飯森範親指揮日本センチュリー響のハイドン交響曲全集1
https://yaplog.jp/yk6974/archive/1719

ただ、この録音はハイレゾであり、それをハイレゾ対応のスピーカーで聴きますと、そのどっしりとした中に微妙なアクセントを常につけていることがわかるんです。これが生命力の源だなあって思います。特に第101番「時計」はグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊にも引けを取らない生命力です。でも実は二つのオケの解釈は異なっていて、ミンコフスキーが激しさを追求しているのとは対照的に、飯森氏はどっしり。けれどもどちらにもしっかりと生命力が宿るんですから、不思議です。それはむしろ、作品そのものに生命力があることを意味します。素晴らしい演奏です。

この第2集に収録されたのは、第101番のほかに、第14番と第77番。それぞれ異なる時期の作品を今回は持ってきておいて、オケはその異なる時代のそれぞれの作品の特色をよく味わって演奏していると思いますし、それゆえの喜びだったり、共感だったりがあるのもまたいいです。特にハイドンだとかモーツァルト交響曲ソリスト集団だからこそ生きる作品でもありますが、まさに日本センチュリー響はソリスト集団であるということもまた示しているんですね。ということは実は、欧州スタイルだってことです。それでも在京だけで非難してしまうんですか?日本のオケを。それは人生の楽しみと喜びを半分捨てているって思います。

この演奏でも、モダンでありながらも古楽的な響きが散見されるので、ほぼ弓はピリオドを使っていると判断してよさそうです。もちろん断定はできないんですが、今まで私が古楽を聴いてきた経験上で言えば、ほぼ間違いないんじゃないかって思います。これは本当はこうですよということを投稿していただける人がいると助かります。あくまでも「耳」判断でしかないので。けれどもその響きの塩梅は本当に美しくかつ生命に満ちています。日本でもこういうオケが出てきたかと、本当にうれしい次第です。




聴いているハイレゾ
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第14番イ長調Hob.I-14
交響曲第77番変ロ長調Hob.�T-77
交響曲第101番ニ長調Hob.�T-101「時計」
飯森範親指揮
日本センチュリー交響楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村