かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:フランスの古楽オケによる「ロンドン・セット」4

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。シリーズでご紹介しているグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のハイドン「ロンドン・セット」の第4集です。

最後の4枚目になるこの第4集には、第102番〜第104番までが収録されています。生命力あふれる演奏はもちろんなんですが、特に素晴らしいのが、最後の第104番「ロンドン」です。

ロンドンロンドン愉快なロンドン〜君も来ないかぁ〜!って言うのがあります(このロンドンとはキャバレーのことw)が、まさにそんな愉悦が第104番にあふれています。そのうえで実はテンポとしては第1楽章はどっしり系。それなのに、生き生きとしているんです。

ppからのffも立ち上がりが素晴らしく、どこかクルレンツィス/ムジカ・エテルナをほうふつとさせます。え、クルレンツィスの真似でしょ?って「信者」の皆さんは言うところでしょうが、この演奏のほうが古いんですってば!2009年ですよ?収録。

つまり、むしろクルレンツィスのほうがこういった演奏に触発され、自分のスタイルを築き上げていったというほうがむしろ可能性ありです。何もないところから出てくるはずなんてないですよ、こういった伝統を紡いでいく芸術に。それまであるものに異なるものを加えて化学反応を起こす・・・・・それがクラシック音楽の「革新」だと思います。

むしろ、クルレンツィスの登場は、このグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のような新しいスタイルがまさに時代の潮流であることをはっきりと示したということで、革新的なのです。けれども、私は何度も言及していますが実は新しいスタイルではない。バロックの時代に戻っただけなんです。けれどもその主体がパトロンではなく演奏者になった、ということなんです。

つまり、バロックのスタイルを、21世紀という時代に合わせたんですね。しっかりと「個」を持った演奏家たちが、尊敬する指揮者の下に集まり、芸術を奏でていく。そのために決まったパトロンではなく広く支援を求めていく。まさにこれこそ近代民主制に基づいたオーケストラの形だと思います。

とはいえ、ほかのオーケストラがそうじゃないのかと言えば、違います。例えば日本のオケなどはボトムアップの方式をとっている団体もあります。そういった団体では容易に指揮者独裁などが起こるわけはありませんので、これも近代民主制に則ったといえるでしょう。ただこの方式の弱点は、練習においてなかなか成長が見込めないという点です。市民オケではこの弱点を補うために、それこそ技術の向上のためにどのような指導者を仰げばよいかということですら、会議の議題に上るんです。

だからこそ、今や在京のアマチュアオケはどこもうまくなっています。そのきっかけを常に与え続けている存在が、たとえばこのグルノーブル・ルーヴル宮音楽隊のような存在ではないかと思います。

プロなのに、楽しんでいるこの演奏。聴いているほうもとても楽しいんです!最後まで楽しさにあふれる演奏。まさにこれこそ現代の職人芸だと思います!




聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第102番変ロ長調Hob.�T-102
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.�T-103
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.�T-104
マルク・ミンコフスキ指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル(ルーヴル宮音楽隊)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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