かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:コルボの「フォーレ レクイエム」

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はフォーレのレクイエムです。

と言っても、以前マイ・コレで取り上げている作品ですし、最近では作曲家のラターが校訂したものも取り上げています。ではなぜ、もう一度なのかと言えば、これがコルボの指揮だからです。

ミシェル・コルボ指揮と言えば、所謂名演、名盤と言われるものです。でも、この演奏の何処が良いのかと言うことになると、意外と明快に答えているものは少ないんですね。

この演奏の特色は一言で言えば、大人と子供のアンサンブルのみごとさにつきます。どういうことかと言えば、フォーレのレクイエムと言えば、言わずと知れた「死者のためのミサ曲」ですから宗教合唱作品です。つまり、合唱団が入っているわけですね。

その合唱団が素晴らしいのです。勿論、オケのベルン交響楽団も素晴らしんですが、何と言ってもこの演奏は合唱団が素晴らしいんです。通常、大人の合唱団に少年合唱団がアンサンブルすると、大人にかき消されるものです。ところが、この演奏では録音時にマイクの位置がよかったのか、とてもいいバランスで大人と子供の合唱団のアンサンブルが聴けるんです!

しかも、子供の声って時として飛び出るんですけれど、それもないんです。大人としっかりと溶け合って、美しく幻想的で、柔らかく、かつしなやかな演奏に仕上がっています。

では、なぜそうなのか。実は、合唱団は聖歌隊です。もともと、大人も子供も一緒になって歌うことになれているんですね。この選択はすごくいいなあと思います。フォーレのレクイエムは最後の「楽園にて」で少年合唱団が必要になってくるわけなんですが、それでも通常は使わずに女声で何とか頑張る演奏が多いのが実情です。特にアマチュアの演奏ではめったに使いません・・・・・やっぱり、それなりに出演料ってかかる訳なので。

ですが、聖歌隊ならその問題が全くありません。いつもと同じように歌うだけです。しかも、「ピエ・イェス」ではボーイソプラノバリトンは大人のソリストなのに、です。コルボはこの選択が多いのですが、いやあ、素晴らしい!

まあ、一つ難癖つけるとすれば、そのボーイソプラノなんですね。オルガンよりすこーしだけ走ってしまうんです。でも、全体的には全く問題ありません。むしろ、少年の清らかな歌声で、作品に清潔感というか、透明感が生まれており、いい効果を生み出しています。元合唱団員とすれば、とても唸りますね、この選択は。

これで、音源としては3つ持つことになったわけなんですが、どれも私のお気に入りです。それぞれ魅力的な演奏で、こういう幸運は滅多にありません。もし、再び私が合唱を始めて、フォーレのレクイエムを歌うとすれば、とても参考になる資料が3つもあるんです。こんな幸せはありませんね〜。




聴いている音源
ガブリエル・フォーレ作曲
レクイエム 作品48
アラン・クレマン(ボーイ・ソプラノ
フィリップ・ファッテンロッハー(バリトン
フィリップ・コルボ(オルガン)
サン=ピエール=オ=リアン・ドゥ・ビュール聖歌隊
ミシェル・コルボ指揮
ベルン交響楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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