神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から5回に渡りまして、ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるベートーヴェン交響曲全集を取り上げます。
まず第1回目は、第1集、第1番と第3番なのですが、元々はメジャーレーベルから出ていたもので、恐らくドイツ・シャルプラッテンだと思いますが、私が図書館から借りてきたのは、ブリリアント・クラシックスです。
ドイツ・シャルプラッテン、売っちゃったか〜と、借りた当時思いましたが、図書館で借りることができたのは幸せだと思っています。
すでに2つほど図書館からはベートーヴェンの交響曲全集を借りてきていましたが、このブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)のコンビの全集は実は名盤の誉れ高いものです。
え、あまり聴かないぞって?旧東側のですからね、これ・・・・・でも、ブロムシュテットの明快な解釈は、日本でもN響などで定評のあるものですから、一つ借りてもいいのではと思い、借りてきたのでした。
で、もうベートーヴェンの交響曲はかなり語ってきていますので、演奏評と参りましょ〜
まず、第1番ですが、テンポが速めでいい!しかも、力強さもあり、その上でどっしりともしています。この二つが両立するのはとても難しいことです・・・・・そのために重要なのが実はテンポで、ブロムシュテットはカラヤンよりは遅く、ベームやクレンペラーなどよりは速めにしており、絶妙なテンポを保たせています。
そのテンポが、作品を見事に生き生きとさせ、まるで大仏開眼のごとく、生命力を与えています。
そのテンポが特に見事に反映され、作品が生き生きとしているのが第3番「英雄」です。私は第1楽章ははやり荒々しい速めのテンポなのが好きなのですが、ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンのコンビは見事に好みのテンポで演奏しており、その上重厚で荘厳で、力強い演奏です。いいですね〜
第2楽章の葬送行進曲も、テンポだけではなくアインザッツの使い方も絶妙で、感情がこもっているものですし、全体的に本当に素晴らしい!
これに相当する演奏はおそらく、いぜん取り上げた飯守泰次郎/東京シティフィルだと思います。逆に言えば、飯守泰次郎/東京シティフィルの演奏は、すでに世界レヴェルに達していると言っていいわけです。それは言い換えれば、日本のオーケストラの演奏水準がすでに世界レヴェルであることを証明しているのです。
こういった全集を聴く楽しみは、その演奏の素晴らしさだけではなく、日本のオケの演奏水準の確認という意味もあります。いきなり第1集で素晴らしい演奏を披露するブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンはさすがです。
聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第1番ハ長調作品21
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
シュターツカペレ・ドレスデン(ドレスデン国立歌劇場管弦楽団)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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