かんちゃん 音楽のある日常

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東京の図書館から~小金井市立図書館~:サヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンによるシューマン交響曲全集2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリである、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏によるシューマン交響曲全集を取り上げる2回シリーズ、今回はその第2回です。

2枚組の全集の2枚目は、第3番と第4番、そしてマンフレッド序曲が収録されています。全体的には重厚な響きを持ちつつ、生命力もしっかり存在するのが魅力的です。

第3番と第4番はシューマン交響曲の中でも和声的に特徴的な作品ですが、それがシューマンなんだと思わせる、説得力ある演奏。こういう味のある演奏はさすがサヴァリッシュだよなあと思います。さらに美しいシュターツカペレ・ドレスデンの響きが、癖のあるシューマンの作品にもしっかりと美しさが存在することを教えてくれます。

そしてさらに癖のある和声を持つのがマンフレッド序曲。特に冒頭の和声を十分鳴らしながら、徐々にテンポを上げて情熱的な演奏へと持って行くのはサヴァリッシュらしさでもありますがさすがとうなってしまいます。

一見堅実な演奏をしているようにみえるけれど、実はとても情熱的な演奏ということもサヴァリッシュのタクトの特徴でもあります。その特徴が存分に表れているのがこのアルバムだと言えるでしょう。

シューマン交響曲に魅力がたくさんあるんだと気づけるアルバムはなかなかありません。とはいえ私としてはすでにジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管で経験済みなのですが、このサヴァリッシュ指揮シュターツカペレ・ドレスデンの演奏は真反対のスタンスなのですがともにうなってしまう、さすがプロだと言える演奏です。

サヴァリッシュのタクトは、ともすれば前時代的な解釈であるとみなされることもあるのですが、しかし作品の生命を実によく引き出すことにも成功することが多いのです。このシューマンのアルバムでも同様です。私の中では多少テンポという意味では美意識と異なるのですが、しかしサヴァリッシュのタクトなら安心できるという意識があります。

シューマンのような癖の強い作曲家の作品であっても、サヴァリッシュのタクトは同様に内包されている生命力を引き出している、素晴らしい演奏であると言えるでしょう。

 


聴いている音源
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品97「ライン」
交響曲第4番ニ短調作品120
劇音楽「マンフレッド」作品115 序曲
ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮
シュターツカペレ・ドレスデンドレスデン国立管弦楽団

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