東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリである、サー・コリン・デイヴィス指揮ドレスデン・シュターツカペレによるシューベルトの交響曲全集、今回はその第2集を取り上げます。
第2集には、第2番と第4番が収録されています。ともに古典的な雰囲気を持っている作品ですが、デイヴィスはのびのびと、そして生き生きとオケに歌わせています。
この、生き生きとというのが、この録音の優れている点だと思います。デイヴィスと言えば、どうしても端正という点が想起されますが、確かに端正ですがそれだけにとどまらず、生命の「歌」となっている点も見逃せません。
録音は1995年なので、もう東側とか関係ない時代ですが、オケがデイヴィスのタクトを喜んでいるかのよう。今まで東側だったのでなかなか実現できなかったのが待ち遠しかったかのようです。特に第4番でその「待ち遠しさ」を感じます。
シューベルトの交響曲は一部ファンには「歌的」とさげすまれるのですが、その歌的なのがシューベルトの交響曲の魅力だと思っています。そもそも、そのシューベルトらしい「歌的」であることを全面に出していくという音楽運動がロマン派という時代です。作曲家の個性が前面に出されていなければ、はたして普遍性をもちえたのか、疑問です。
シューベルトの交響曲は歌でしょ?文句ある?というのがこの演奏です。いえいえ、全く私には文句などあろうはずがありません!シューベルトの交響曲をしっかりと「歌わない」演奏なんて、そんなものは楽譜をなぞっているだけで、魅力も何もありません。歌ってなんぼ、です。リズムにのり、生命を歌い上げる・・・・・これぞシューベルトの交響曲の演奏ではないでしょうか。
聴いている音源
フランツ・シューベルト作曲
交響曲第2番変ロ長調D125
交響曲第4番ハ短調D.417
サー・コリン・デイヴィス指揮
ドレスデン・シュータツカペレ
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