かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:フィルハーモニック・コーラス第4回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成26年10月26日に聴きに行きました、フィルハーモニック・コーラス第4回定期演奏会を取り上げます。

この団体、以前このブログで取り上げています。

コンサート雑感:フィルハーモニック・コーラス チャペルコンサートを聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1062

この時は、さらに定期も聴きに行きたいなあと思っていたのですが・・・・・その後の体調不良で、それはかなわぬこととなりました。

しかし、こういった団体が定期演奏会が1回だけで終わるはずはありません。第4回の案内が、送られて来たではありませんか!

これは絶対に行きたい!と思い、チケットを購入したのでした。この26日という日はほうぼうでイベントをやっている日であるにもかかわらず・・・・・

さらに行きたいと思った理由がありました。それは、プッチーニのグロリア・ミサを演奏するという点でした。実はこの曲、私も一部歌ったことがある作品で、このブログでも「マイ・コレ」のコーナーで取り上げています。

マイ・コレクション:プッチーニのミサ曲と管弦楽曲
http://yaplog.jp/yk6974/archive/891

私の時には撃沈してしまった、プッチーニのミサ曲を、どう演奏するのか。とても興味がありました。

さて、演奏した曲は以下の通りです。

ビゼー:テ・デウム
プッチーニ:グロリア・ミサ

オペラ作曲家が作曲した宗教曲という編集方針も、いい視点だなあと思います。

場所はパルテノン多摩。以前中大オケを取り上げた時にも訪れたホールです。

コンサート雑感:中央大学音楽研究会管弦楽部第67回定期演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/952

このホール、けっこう残響いいんですよね。今回、それに助けられた点もあるとは思うんですが・・・・・・

まず、ビゼーのテ・デウム。1858年に、ローマ賞を受賞して留学した先のローマで課題として作曲した作品で、ビゼーの数少ない宗教作品の一つです。プッチーニ同様、オペラ的な作品ながら、旋律は流麗であることが特長の作品です。

ある意味、プッチーニよりは古典的な作品だといえます。それをきちんと表現し、なおかつ発声が軽く力強いのがとても印象的で、素晴らしい点であったと思います。

以前のチャペルコンサートに比べますと、ppからffまでの差がついており、それがダイナミックさに繋がり、特に上昇音形において、上がっていくにしたがって強くなる部分などは、鳥肌が立つほどでした。

はっきり言って、音源を持ちたいって思わすだけの説得力が演奏にあったことは素晴らしく、合唱団としては「樹林」のい定期でシューベルトのミサ曲第6番やモニューシコの「オストロブラムスカの連祷」を聴いて音源が欲しいと思った時ぶりの経験でした。

それは2曲目のプッチーニのグロリア・ミサでも一緒です。さらに、グローリアではテンポが意識されており、歌詞が聴き取りやすく、しかも合唱団のアンサンブルに微塵の心配が要らないという安心感があったことも印象的でした。

こんなに上手になったんだ・・・・・もう、感動で涙が出そうです。

むしろオケのほうがその合唱団の情熱に引っ張られ気味で、幾度か崩壊しそうになりましたが、さすがセミプロです。音に「痩せ」がないんです。その上に、素晴らしい合唱団のアンサンブル。

何処に突っ込みようがありましょうや!もしあるのだとすれば、もうすこしだけppとffの差がついたらって点でしょうか。それがパルテノン多摩というロケーションを選択した結果だと言えましょう。もう少し小さなホールを選択してもよかったように思います。

例えば、多摩地区であれば、府中の森芸術劇場ウィーン・ホールや、三鷹市芸術文化センター風のホール、或は小金井市民交流センターなど、小さ目のホールは他にあります。そういったロケーションの選択というのもアリだと思います。

そういった小さ目のホールのいい点は、強弱が思い切りつけても、演奏に支障がないという点です。例えば、今回選択したパルテノン多摩大ホールのような大きいホールであれば、声をそれだけ遠くへ飛ばさなければならず、それゆえにアマチュアではどうしても音は大きめになります。それが今回改善したとはいえ、弱冠大き目だった理由でしょう。ですから仕方ないと思っています。しかし一方で、改善点だとも思っています。かといってそれがすぐ技術で改善できるかと言えば、無理です。

ならば、自分たちの身の丈のあった「小ささ」を選択するという、最近私がレビューで書いている、まさにその点こそが重要だろうと思います。

どんな経緯でパルテノン多摩になったかなんて私にはわかりませんので、下手なことは言えませんが、単なる見栄だったとすれば、それは手放したほうがいいように思います。

私も合唱団員だった時、大きなホールで歌うことは嬉しくて、誇りでしたが、では、そのクオリティは?と言われれば首をかしげざるを得ません。フィルハーモニック・コーラスさんはそこまでひどいわけでは決してなく、むしろとても素晴らしい結果を出しているんですが、それをさらに素晴らしいものにできる方法が、もう少し小さなホールを選択するという手なのです。

これは私が、青葉区文化センターフィリアホールで歌った時に経験したことなのです。今でもその時に歌ったモーツァルトの戴冠ミサが一番うまくいったと思っていますし、周囲もそういった評価だったのです。その経験があるからこそ、「小さなホールを選択してよかったですね」という最近のレビューに繋がっています。

プッチーニのグロリア・ミサでは、私が持っている音源がオペラ的であるにも関わらず、今回の演奏はこの作品がオペラ的であるがしかしやはり宗教曲であるということを、テンポだとかアンサンブルをしっかり聴かせるということで、私達聴衆に顧みさせたといえましょう。だからこそ、さらなる上を目指してほしいなあと思うんです。

次回のプログラムが、ベートーヴェンの第九であれば、悩むところでしょうが、であればこそ気を付ける必要があるようにも思います。そもそもが交響曲である作品であるからこそ、様々な「トラップ」が芸術作品として成立するために仕掛けられているためで、フィルハーモニック・コーラスさんの素晴らしいアンサンブルを更にいいものにして、身震いするような演奏を期待したいと思います。例えば、中央大学音楽研究会混声合唱部が、以前杉並公会堂を選択したように・・・・・・

音楽雑記帳:中央大学学友会文化連盟音楽研究会混声合唱部第九演奏会を聴いての雑感
http://yaplog.jp/yk6974/archive/490

え、募集しているから参加してくださいって?

・・・・・検討しておきます。リハビリで歌えるほど、第九は甘い作品ではないので。

でも、次の演奏会で第九をやりますとアナウンスがあった時の、拍手を、忘れないで欲しいなと思います。聴衆が素晴らしさに感動して、うん!第九出来るよ!という応援の拍手だったのですから。

そして私も、その一人でした。合唱団員として参加しないという選択をしたとしても、フィルハーモニック・コーラスさんの定期であれば、一番大好きな魂が震えるスピリチュアルな作品を聴きに、聴衆として馳せ参じますから。




聴いてきたコンサート
フィルハーモニック・コーラス第4回定期演奏会
ジョルジュ・ビゼー作曲
テ・デウム
ジャコモ・プッチーニ作曲
グロリア・ミサ
加藤千春(ソプラノ)
大田翔(テノール
青戸知(バリトン
河内良智指揮
日ノ出交響楽団
フィルハーモニック・コーラス

平成26(2014)年10月26日、東京、多摩、パルテノン多摩大ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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