かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:カラー・フィルハーモニック・オーケストラ第14回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和2(2020)年3月8日に行われました、カラー・フィルハーモニック・オーケストラの第14回定期演奏会を取り上げます。

え、そんな日にコンサートやった団体あるんですか?と驚かれると思います。確かに、政府からイベント自粛要請が出ている状況では、次々にコンサートは中止もしくは延期になっていますから、当然の疑念だと思います。

ただ、このコンサートの前に、プロオケが相次いでネット配信を行ったのはご存じでしょうか?その代表が東京交響楽団で、びわ湖ホールミューザ川崎の公演を無観客で配信しました。実はそれ、大好評を博しています。

しかし、アマチュアでも実はネット配信を準備していた団体があるのです。それが今回取り上げるカラー・フィルハーモニックさんです。

colorphil.jimdofree.com

トップ画面に、今回私が聴いた演奏会のyoutubeがありますので、ぜひとも聴いてみてほしいと思います。もしなければ、このオケは自身の演奏会の記録をyoutubeにアップしていますので、ホームページのyoutubeをクリックして探してみてください。

さて、じつは私はイベント自粛という動きが出てきて真っ先に、ネット配信すべきとFBなどでコメントしてきました。理由は二つ。まず欧州のプロオケ、たとえばベルリン・フィルなどはすでにネット配信が当たり前になっており、これはベルリン・フィルの例ですが、デジタルコンサートと銘打ってチケットも売り出されているのです。そうやって当日会場に来れないファンに対して、対応しています。

二つ目に、私自身、mixiにてネット鑑賞会を主宰し、その先鞭をつけた「同時鑑賞会」にも積極的に参加している、ということがあります。まさにこれは、今回のカラーフィルさんのネット配信に近いものです。ネット上の音源を皆で同じ時間に同時に聴き、その感想を聴きながらチャットのように打ち込んでいくというものです。それはまた、東響さんがニコ動でやられたことと同じなのです。

ですから、FBの非公開グループ「クラシックを聴こう!」コミュにて、古瀬氏が「新しいかたち」とおっしゃいましたが、私からすればもう10年以上前にさんようさんが始めているよ、そしてそれを私やそのほかのメンバーが引き継いでいますけれど?という意識でしたので、今回カラーフィルさんが素早くネット配信としたのには本当に脱帽ですし、私やほかの仲間たちが連綿と続けてきた「ネット上のコンサート」は決して無駄ではなかったと、本当にうれしいのです。

当日のプログラムは二つ。スクリャービンの「法悦の詩」とR.シュトラウスの「英雄の生涯」。おなか一杯の内容ですが、ぜひ演奏を聴いていただきたいんですが、これがアマチュア?と驚かれると思います。けれども、今どきのアマチュアはこれくらいのレベルなんです。それを皆様に端的にご紹介できるという点では、このオケの演奏会へ行くと決めて本当によかったと思います。以前からこのオケのコンサートには行きたいと思いつつ、なかなか機会が訪れなくて、ようやく職場にダメ元で行けるようシフトを投げましたら、見事に時間が空くなんてこと本当にこの人手不足のご時世でないんですが、そんなラッキーな時に新型コロナウィルスの蔓延に当たるとは・・・・・でもそのおかげで、ネット配信ということが可能になったわけですから。

まず、「法悦の詩」。決して私が好きな時として硬質な音が入ることで、感情の高まりを表現するということはないんですが、だんだん欲情しエクスタシーに達して喜びを迎える様子が洒脱に美しく表現されていたのには本当に驚きです!アマチュアには決して簡単な曲とは言えないんですが、それを見事に「エクスタシーに達する」様子を、まるで女性が恥ずかしそうに喘ぐような感じで演奏するなんて、もうアマチュアの域を超えていると言えます。

2曲目の「英雄の生涯」。さすがにこれは途中管がひっくり返ったり、弦がごちゃごちゃしたりしたのですが、全体的には本当に感動する、重厚で豊潤なサウンドと、それが織り成す、作曲者自身を英雄と見立てたと言われる作品を見事に一つの物語として表現する様子は本当にプロオケ聴きに行かなくてもいいよね!という感すらある演奏です。

これだけ素晴らしいと、本当はホールで聴きたかった演奏です。ホールは杉並公会堂の夜公演。アマオケで夜公演なんて本当に珍しいですし、夜公演で杉並公会堂であれば、かなりの確率で日勤上がりなら間に合う可能性があったため、今回職場に頼んだのです。このネット配信が好評なら、次回以降何かが起きる可能性も捨てきれないかもしれません。杉並公会堂という、アマチュアにはちょうどいい大きさのホールで、無観客なれどカメラの向こうに聴いてくれる人たちがいるという意識を持った誠実な演奏者たちが奏でる、情熱的な演奏・・・・・いやあ、次回も行きたくなります!次回はぜひともライヴで聴きたいものですが、もしその時にもまだ不可能であれば、次回もこのようなネット配信を検討していただけると嬉しいです!しかも、ネット配信なら全国、いや全世界で聴いてもらえます。新しい交流も生まれるかもしれません。ワクチンが出来上がり、流行が通常のインフルエンザ程度まで収束したとき、新しい動きがあるような気がしてなりません。

マチュアオケの果断に対し、啓礼!

 


聴いてきたコンサート
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ第14回定期演奏会
アレクサンドル・スクリャービン作曲
交響曲第4番「法悦の詩」
リヒャルト・シュトラウス作曲
交響詩英雄の生涯
金山達夫指揮
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ

令和2(2020)3月8日、東京杉並、杉並公会堂大ホール(無観客ネット配信)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。