かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:テレマン ヴィオラ協奏曲他


東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリをご紹介します。テレマンヴィオラ協奏曲ほかを収録したアルバムです。

ヴィオラ協奏曲はあまり見ることのないジャンルなので、借りてきたものなのですが、じつはカップリングには、すでに取り上げたことのある「ハンブルクの潮の満干」が収録されているんです。

その演奏が、サー・ネヴィル・マリナー指揮聖マーティン・イン・ザ・フィールズ教会アカデミー。つまりは、モダン室内オケ、なんです。これは面白い!と手に取った、というわけです。

マリナーなんで、全体的にはどっしりとした演奏。これもまた乙なもので、ぜい肉をそぎ落とした演奏は生き生きとしており、私好み~

そして、標題のヴィオラ協奏曲は、第1楽章がラルゴとあり、オケの主題をソロであるヴィオラも奏するという、古典派的萌芽が見られる作品ですが、続いてアレグロがくると、やはりバロックだねえという印象です。古典派だと第1主題になる部分が前奏で、本当の主題はアレグロでくるという・・・・・それはそれで面白い作品。

3曲目の「ドン・キホーテ」は劇的ではないんですが、かなりの諧謔性を持ちます。これもまたバロック的な解釈。

そして最後の「2本のオーボエ、2本のホルンと弦楽合奏のための組曲ニ長調」はザッツバロック!バッハだけじゃないよと言いたげな演奏は、ドイツバロックのもう一人の巨匠テレマンの魅力を存分に表現するものです。

とにかく、聖マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏は生命力にあふれています。モダンなのにリコーダーを使うなど、古楽演奏を上手にモダンに取り入れている点でもいいですし、ところどころ古楽よりはどっしりとしていてそこは私好みではないにせよ、妙に納得してしまう説得力。どれをとってもさすがの演奏です。こういう演奏がプロの仕事ですね。

プロオケの魅力とは、決してわたしの美意識とは違うものでもいかに納得させるだけの説得力を持つ演奏が聴けるか、だと思っています。それがないとお金を払う意味はないよね、って思っています。それならアマチュアで十分ですしね。聖マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏は説得力のある演奏が多く、これはないなあと思ったのはモーツァルト交響曲第40番くらいではないでしょうか。このテレマンでも、本当に納得の演奏が聴けるのは幸せです。

 


聴いている音源
ゲオルク・フィリップ・テレマン作曲
序曲ハ長調「水上の音楽/ハンブルクの潮の満干」
ヴィオラ協奏曲ト長調
ドン・キホーテ組曲
2本のオーボエ、2本のホルンと弦楽合奏のための組曲ニ長調
スティーヴン・シングルス(ヴィオラ
ティモシー・ブラウン(ホルン)
ロビン・デイヴィス(ホルン)
シーリア・ニクリン(オーボエ
テッサ・ミラー(オーボエ
ネヴィル・マリナー指揮
聖マーティン・イン・ザ・フィールズ教会アカデミー(アカデミー室内管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。