かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:テレマン ターフェルムジーク4

今月のお買いもの、平成24年12月に購入したものをご紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館で購入しました、ブリリアント・クラシックステレマンターフェルムジーク全曲をご紹介しています。今回はその第4回目。第3集を取り上げます。

この第3集は少し小ぶりというか、CD一枚に入るということはそれだけ演奏時間は短いと言うことになります。その短い中にいろんな要素がこれまたギュッと詰まっています。

まず、どんな構成になっているか、ウィキから転載しましょう。

第3集
第1曲 序曲(管弦楽組曲変ロ長調 TWV 55:B1 - 2つのオーボエファゴット及び弦楽合奏通奏低音
第2曲 クヮトゥオル ホ短調 TWV 43:e2 - フルート、ヴァイオリン、チェロと通奏低音
第3曲 協奏曲 変ホ長調 TWV 54:Es1 - 2つのホルン(ヴァルトホルン)、弦楽合奏通奏低音
第4曲 トリオ・ソナタ ニ長調 TWV 42:D5 - 2つのフルートと通奏低音
第5曲 ソナタ ト短調 TWV 41:g6 - オーボエ通奏低音
第6曲 終曲 変ロ長調 TWV 50:10 - 2つのオーボエファゴット及び弦楽合奏通奏低音

ターフェルムジーク(ゲオルグ・フィリップ・テレマンの項)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%AA%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%9E%E3%83%B3#.E3.82.BF.E3.83.BC.E3.83.95.E3.82.A7.E3.83.AB.E3.83.A0.E3.82.B8.E3.83.BC.E3.82.AF

さて、以前からバロック時代のフルートとはリコーダーのことです、と申し上げてきていますが、このCDのパッケージを見てみますと、面白いことに、フルートは凡てトラヴェルソとなっています。これは是非とも楽譜を見てみたいなあと思います。なぜなら、楽譜には「トラヴェルソ」という指定があるかも知れないからです。

通常、バロック時代ではフルートと言えばリコーダーのことなので、フルートという指示があれば当然演奏者はリコーダー(縦笛)を使います。ところが、この演奏ではフルートは凡てフラウト・トラヴェルソ、つまり現代のフルートと同じ横笛を使っている理由は、楽譜にそう記載があるからという想像がつくわけです。

フルートとあれば必ずリコーダーを指すわけではなく、勿論トラヴェルソの場合だってあるわけですが、通常はリコーダーを指す、というだけです。ですから、トラヴェルソだってかまわないわけではあります。しかし、この全集ではそれまではリコーダーでフルートは演奏されているわけですから、それがトラヴェルソに変わるということは理由があるわけです。

バロック時代の常識に照らし合わせれば可能性は二つ。一つは、ピッチの関係でトラヴェルソのほうがいいと指揮者あるいはソリストが考えた、そしてもうひとつが楽譜に指定があった、なのです。

トラヴェルソは音色はリコーダーそっくりです。しかし微妙に異なるんですね。音の響きが若干異なります。それが聴き分けられると、面白いかもしれません。だからこそ、これは楽譜が欲しいと思ったわけなのです。これはモダンだともしかするとあまり意味がないかもしれません。

ネットで検索してみると、不思議なことにターフェルムジークはほとんどモダンの演奏がヒットすることはありません。最近のは凡て古楽だと言っていいでしょう。しかしそれには、この第3集のような理由があると考えるほうがよさそうです。演奏を聴く限りでは、ピッチではなく、やはりテレマンが微妙な音色の違いをここで出したかったと考えるほうが自然だと思います。

現代の楽器であれば、もしかすると微妙な音色の違いというか、繊細な音色というのは様々に作れるかと思いますが、バロック時代は楽器の性能もそれほどではないわけですから、工夫して違いを出す必要があります。そのために、同じフルートでもリコーダーではなくトラヴェルソをあえて使うことにした、だから楽譜に指示があり、ソリストはそれに従ったまでだというのが妥当な線でしょう。楽譜を見ていない現状ではここまでしか言えないと思います。もしご存知の方がいらっしゃいましたらコメントしていただきますとありがたく存じます。

兎に角、この第3週では管楽器が大活躍です。トラヴェルソバスーン、ホルン、オーボエ・・・・・金管から木管まで、勢揃いって感じです。

こう第3集まで見て来ると、前菜、主菜、デザートかなあなどと考えてもしまいます。そもそも、「食卓の音楽」ですから賓客をまねいてという機会音楽を念頭に置いて作曲されているでしょうから、そういう想像も実に間違ってはいないわけです。にも関わらず、ターフェルムジークはかなりの曲をヘンデルが利用していますし、所謂編曲ということが行なわれている作品でもあるわけです。いかにもバロックらしいという作品だと言えるでしょう。

ターフェルムジークがBGMとして超一級であるからこそ、つまりテレマンが素晴らしい作曲家であるからこそ、リスペクトして借用したのだと思います(つまり、ルネサンス風に言えばパロディです。)。

こう、バロック音楽を取り上げますと、みなさん、面白いことに気が付きませんか?そう、現代のJ-POPやHIPHOPと殆ど一緒なんです。アンサー・ソングがあったり、リスペクトがあったり・・・・・

もしかすると、私は音楽はバロックへと回帰していくのではないかと、個人的には思っています。バロック音楽を聴くということは、もしかするとクラシックファンにとっては温故知新を天から与えられているのかもしれません。



聴いているCD
オルグ・フィリップ・テレマン作曲
ターフェルムジーク 第3集
序曲(管弦楽組曲変ロ長調 TWV 55:B1
クヮトゥオル ホ短調 TWV 43:e2
協奏曲 変ホ長調 TWV 54:Es1
トリオ・ソナタ ニ長調 TWV 42:D5
ソナタ ト短調 TWV 41:g6
終曲 変ロ長調 TWV 50:10
ピエテル・ジャン=ベルダ―指揮
ムジカ・アンフィオン
(ブリリアント・クラシックス 92177/4)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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