かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:カラー・フィルハーモニック・オーケストラ第20回演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和5(2023)年3月12日に聴きに行きました、カラー・フィルハーモニック・オーケストラの第20回演奏会を取り上げます。

カラー・フィルハーモニックさんは以前、動画配信をご紹介したことがあったかと思いますが、その時からライヴで聴きたいと思っていました。しかし自分自身が難病になりそうそう出歩けられる状態ではなくなってしまったため、そもそもコンサートが遠のいてしまったのでした。

ykanchan.hatenablog.com

カラー・フィルハーモニックさんは東京ではおなじみの「常設だけど地域性がない」アマチュアオーケストラになります。私はそういうオケはある意味東京らしいオーケストラだと思っています。江戸っ子って少ないですから、東京は。なので私は東京らしくて好きです。勿論宮前フィルのような地域密着のオーケストラを否定するわけではありませんし、東京都民となった今でも宮前フィルは好きなアマチュア・オーケストラの一つです。

colorphil.jimdofree.com

新型コロナウイルス禍を経て、特にアマチュアオーケストラの演奏会スタイルは二つに分かれたように思います。一つは今まで通りに複数曲を並べるもの。そしてもう一つは感染機会を減らすために演奏会の時間を少なくするため曲数を絞るもの。今回はカラーフィルさんは後者を選びました。練習時間もなかなか取れませんしね。今回はブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」ただ1曲。

所謂「ブル4」と言われるものですが、ブルックナーはちょっと長い曲が多いですから、さて夜の時間でどうなんだろうとは思ったのですが、カラーフィルさんだから多分大丈夫だろうというぼんやりとした確信(?)がありました。そしてその予想は見事に当たりました。

「ロマンティック」は第1楽章冒頭、魅力的なホルンから始まりますが、この部分で多少ひっくり返り気味。ですが演奏が進んでいくにつれてボルテージが上がっていき、情熱的でステディな演奏になって聴衆を引き込んでいきます。むしろそんなひっくり返りなんて全く気になりませんでした。むしろブルックナー交響曲を演奏するということは大変難しいことなのだと実感しました。

実は私としてはブルックナー交響曲をライヴで聴く初経験。プロオケでももちろんありません。CDや放送とかでしか聴いたことがありません。その意味では初ライヴがアマチュア・オーケストラだったことはとても有意義だったと思います。決してカラー・フィルさんが下手なわけではありません。むしろ上手だと言っていいと思います。勿論アマチュアらしいやせた音は散見されますが、かといって目立つほどではありません。特にフォルティシモの部分は圧倒されます!

ピアニシモもとても美しく、後期ロマン派であるブルックナーの作品の魅力を余すことなく表現していると思います。ですが冒頭のホルンは多少ひっくり返ってしまったというわけです。これはベートーヴェンの第九第3楽章でも同様で、如何に「ロマンティック」という曲が難しい曲なのかを思い知らされます。こういう経験をしていないと単なるディスりにしかならない可能性があるなあと思います。如何にプロオケというのはレヴェルが高いのかを実感させられます。

なのにです、このコンサート無料なんです!ええ~・・・・・本当にカラー・フィルさんって太っ腹!無料配信といい、入場無料といい、アマチュアでも本来多少は経費を回収しようとするのですがそんなところが全くない!もちろん、入場無料だとホールの借り賃が安いということもあるかもしれませんが。実はそういうホールは多いのです。プロオケだと安いとはいえそういうわけにはいかないので有料にならざるを得ませんが、ほかで糧を得ているアマチュアだからこそできることだと言えます。

ブルックナー終止だとかいろいろ言葉を並べることもできますが、今回の演奏はそんなことは置いておきます。本当に演奏が素晴らしい!客演コンサートマスターである福嶋氏に引きずられたのか、全体的に体がよく動いており、雄弁に語るような演奏で、実はかなり眠たいところだったのにほとんど寝ることはありませんでした。むしろ美しすぎてうとうとしてしまうほど・・・・・しかし、フォルティシモでしっかりと起こしてくれます。私自身も全体的に集中して聴いていました。本当に素晴らしい時間を与えてくださったことに感謝します!

次回はマーラーの第5番とのこと。楽しみです!果たしてそのころには私自身がどうなっているかはわかりませんが、行きたいなと思っています!

 


聴いて来たコンサート
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ第20回演奏会
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第4番「ロマンティック」
福嶋慶大(ゲスト・コンサート・マスター)
金山隆夫指揮
カラー・フィルハーモニック・オーケストラ

令和5(2023)年3月12日、東京杉並、杉並公会堂大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。