今月のお買いもの、平成26年12月に購入したものをご紹介しておりますが、今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて買い求めました、ナクソスから出ているパデレフスキのピアノ協奏曲他を取り上げます。
パデレフスキ。以前、交響曲「ポーランド」を採り上げましたが、ようやくそれ以外の作品をご紹介することが出来ました。
今月のお買いもの:パデレフスキ 交響曲「ポーランド」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/861
もう、3年たつのですね・・・・・月日が経つのは早いものです。上記エントリ以降、粘り強くパデレフスキの作品を探し求めていました。多分、新譜でないとないだろうと。そうしましたら、中古であったのです。
ま、そんなこともあります・・・・・よくあることです。こういうのは、流行もありますしね。
さて、パデレフスキがどんな作曲家なのか、もう一度ウィキで失礼しますが再掲しておきます。
イグナツィ・パデレフスキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%84%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%87%E3%83%AC%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD
音楽家としてではなく、政治家、外交官としても活躍した人でありました。作曲した数が少ないのはなぜかと、ウィキの最後のほうで様々な説が出ていますが、私はシンプルに「政治の世界にいたから」と答えたいと思います。
演奏家として忙しい中に、政治活動が加わったのです。作曲をしている暇は殆ど無かったろうなあと思います。そもそも、教育者でもありましたし、アメリカ移住後は経営者でもありました。そんな彼に、さらに政治活動、しかも祖国回復という、とてつもなく重いテーマが加わったのです。東奔西走する毎日であったことは容易に想像できます。
そんななかで、数多くの作品を作曲することがいかにしてできるのか・・・・・彼はパデレフスキであって、モーツァルトではないんです。多くを生み出すことは難しいであろうということは、それほど難しい思索だとは思いません。
そんな中で生み出されたのが、ピアノ協奏曲イ短調です。3楽章制を取り、シューマン風でありながら、ラフマニノフのような超絶技巧も備えた、壮麗なピアノ協奏曲です。1888年に完成した作品ですから、「ポーランド」よりも前の作品で、パデレフスキが演奏家として忙しく名声を得た時代の作品と言えましょう。音楽自体は非凡さを感じます。もっと多くの作品を生み出す余裕があったら良かったでしょうに・・・・・
彼は機能不全家族出身でしたから、いろんなことを引き受けたくなるのでしょう。いろんな役割を担った作曲家だと思います。それはそれで充実した人生だったでしょうが、作曲家としてはそれほど多くの作品を生み出せず、それ故あまり知られていないという事になっているのだろうと思います。しかし、ピアノ協奏曲は大変美しい作品で、緩徐楽章は喜びもある素晴らしいものです。演奏者自身が喜びをもって演奏する必要があるでしょう。
演奏はポーランド出身のピアニストとオケ、指揮者という組み合わせですので、ナクソス音源にありがちな平板さがなく、ダイナミックで力強く、かつ美しいものになっています。誇りというか、毅然としたものを感じます。それは美しさと同時に、清潔感と、颯爽としたものも存在します。
カップリングの幻想曲と序曲も同様で、ともに19世紀中の作品です。ロシアやドイツ音楽の影響を強く受けつつ、決してものまねとは感じないその音楽からは、自己が確立されたパデレフスキの精神を強く感じます。演奏者もそのあたりは堂々と演奏しているからこそそう受け取るのかもしれませんが、いずれにしても19世紀から20世紀にかけての音楽の特徴を備えつつ、かといって誰かに似ているということが少ない作品を生み出していることは素晴らしいと思います。
交響曲ともども、もっと聴かれるべき作曲家のように思います。その珠玉の作品たちは、きっと私たちに幸福と喜びを与えてくれることでしょう。
聴いているCD
イグナーツィ・ヤン・パデレフスキ作曲
ピアノ協奏曲イ短調作品17
自作の主題によるポーランド幻想曲
序曲
ヤニナ・フャルコヴァスカ(ピアノ)
アントニ・ヴィト指揮
ポーランド国立放送交響楽団
(Naxos 8.554020)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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