かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:フランク・ドビュッシー・ラヴェル ヴァイオリンソナタ集

お待たせしました!

6月まで休養する予定でしたが、体調の戻りが予想よりも早かったことから、本日から復活します。

以前も告知しました通り、毎日は当面避け、週4日の掲載とします。

それでは、参りましょう!

今月のお買いもの、3月にご紹介する予定だったものを取り上げます。今回はフランスの作曲家たちのヴァイオリン・ソナタ集です。ミンツのヴァイオリン、ブロンフマンのピアノです。

同内容のものを実は以前にも取り上げています。

友人提供音源:フランス・ヴァイオリンソナタ
http://yaplog.jp/yk6974/archive/249

じつはこの音源を失念していまして・・・・・ほとんど同内容どころか、上記エントリで取り上げた音源のほうがさらにプーランクが入っている分、充実しているのです。

まあ、CDを多く買っていますとたまにこんなことも有ります。今回取り上げるのはブリリアント・クラシックスですから630円ですし。それほど散在したという気にはなりません。

それよりも、重複している作曲家の分はむしろさらにその曲の素晴らしさを実感する結果となっています。まずは、上記エントリであげたものに相当するCDが、630円で買えますよ!ということをアナウンスしておきたいと思います。

以前、基本的にソナタとは、ピアノと他の楽器という楽器二つのセッションであると、ウィキの説明を使いながら解説しました。

ソナタ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF

この演奏は、それをまさしく思い出させてくれるものです。

さて、上記エントリのプーランクも含め、このCDに収録されている作曲家は、すべて後期ロマン派の作曲家たちです。フランク以外は20世紀の作曲家でもあります。

セザール・フランク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF

クロード・ドビュッシー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC

モーリス・ラヴェル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB

あれ、印象派ではないの?とおっしゃる方もおられると思いますが、私は最近、印象派という名称がいいのかどうか、迷っています。そもそもドビュッシーは自分は印象派ではないとまで言っているからです。

印象派とは、主に絵画で使われるカテゴリー分けで、時代区分でもあります。

印象派
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B0%E8%B1%A1%E6%B4%BE

確かに、音楽でも印象派という名称を使います。しかしなぜ、印象派という名称を作曲家が違うというのでしょう?

私は大きな区分として、印象派というのは当たっていると思いますが、ただ、ドビュッシーラヴェルの作品をいくつか聴きますと、何かを正確に表現しようとして、不協和音を使ったりしていることに気が付かされます。

そう、彼らはむしろ、自分たちは自然主義なのだ!と言いたいのかもしれません。実は、絵画においては、印象派の前の時代は自然派バルビゾン派など、基本的に対象を写真のように表現する「写実主義」の時代でした。ところが、音楽史では、印象派というのは基本的に後期ロマン派の一流派であり、その前の時代は古典派の影響色濃い前期ロマン派であり、その源流は間違いなくベートーヴェンが完成させた古典派です。

その音楽史からすれば、確かに印象派という名称は、ある意味正確ではありません。絵画の印象派は写真の登場で正確さでは絵画が劣ることが明白なので、写真では伝えることが出来ない空気や人の気持ちというものを伝えようとしたことから端を発しています。

ところが、音楽はすでに何か自分の伝えたいものを伝えようとする運動が、ロマン派で勃興したわけで、その延長線上でしかないという意識が、作曲家にあったということだと思います。

フランクはまだしも、ドビュッシーラヴェルのヴァイオリンソナタは、不協和音が効果的に使われている作品です。それが表現したいもの、それは基本的に人間の気持ちです。フランク、ドビュッシーラヴェルとも晩年の作品で、各々作曲家の室内楽の傑作と言われます。

ヴァイオリンソナタ (フランク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF_(%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF)

ヴァイオリンソナタ (ドビュッシー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF_(%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC)

ヴァイオリンソナタ (ラヴェル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%8A%E3%82%BF_(%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB)

特に室内楽というのは、サロンで演奏することを念頭に置いて作曲されることが多いことを鑑みますと、そもそも絵画における印象派が志向したものはすでにやっているという意識が、たとえば違うといったドビュッシーにあっても不思議ではありません。

それぞれ、人生の晩年を迎えた作曲者の、枯れたと言いますか、さびしくも一つ吹っ切れた、温かみのある音楽が拡がっていることを見れば、すでにフランクからし印象派だよねとも言えるわけです。しかし彼は印象派の作曲者とは言われません。

ですので、私は最近では印象派とは言わずに、もっと大雑把に「後期ロマン派〜20世紀の作曲家」と言うことにしています。そのほうが、実際の音楽を語るのに適しているように思うのです。

このCDの演奏者二人は、そんなことを知っているのかいないのか、強弱のつけ方がともに一緒で、それ故バランスが崩れていません。二人なのに一人が演奏しているように錯覚すらします。会話し協奏しと、縦横無尽です。

ソナタというジャンルの素晴らしさを呈示するとともに、音楽史における印象派という名称の是非までも、提示しているような気がします。



聴いているCD
セザール・フランク作曲
ヴァイオリンソナタイ長調
クロード・ドビュッシー作曲
ヴァイオリンソナタト短調
モーリス・ラヴェル作曲
ヴァイオリンソナタト長調
シュロモ・ミンツ(ヴァイオリン)
イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
(Brilliant Classics 94160)※もとはドイツ・グラモフォンです。パソコンで聴きますと、CDDBはグラモフォンのが出てきます。



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