かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴィエニャフスキ ヴァイオリン作品集1

今回の神奈川県立図書館所蔵CDは、ヴィエニャフスキのヴァイオリン作品集です。2枚組の今回は第1集を取り上げます。

はたまた聴き慣れない作曲家が出てきました。ヴィエニャフスキポーランドが生んだヴァイオリニストで作曲家です。「ヴァイオリンのショパン」とも言われる、ポーランドでは英雄です。

ヘンリク・ヴィェニャフスキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%A7%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD

この音源からは、なるべく説明文も書き写すようにしてありますので、実はウィキよりも詳しい解説が手元にありますが、大まかなことはウィキの説明で十分だと思います。ただ、この文章からはヴィエニャフスキ演奏家としての視点がやや欠けているとだけは申しておきましょう。確かに、演奏家として有名であったということは言及されていますが・・・・・

彼の作品は、基本的に彼が演奏することを念頭に置かれて作曲されているのです。それは聴いてみないとわからない部分があります。その点で、この作品集はとても優れています。

個々の作品では、もっと優れた演奏が他にもあるのですが(特に、最後のスケルツォ・タランテラ)、ヴィエニャフスキの作品全体を俯瞰するには、とても素晴らしい内容となっています。

ショパン同様、ポーランド民謡を使った作品が多く、しかもショパン以上に民族色が豊かであるという点も見逃せません。クヤヴィヤクやマズルカポロネーズがそういった楽曲と言えるでしょう。さらに、最後の曲スケルツォ・タランテラもそんな曲でしょう。この曲はヴィエニャフスキの代表曲とも言える曲で、超絶技巧で鳴らしたヴィエニャフスキがどんな演奏をしたのかを垣間見せてくれます。

超絶技巧という点では、「新しい手法、エチュード・カプリス作品10」はまさしくそんな作品の一つだと思います。今では彼の名を冠した国際コンクールも開かれていますが、こういった楽曲も演目に上るようです。

基本的に、彼のヴァイオリン曲は、独奏曲もしくはソナタであることが多いのも特徴です。ベートーヴェンのヴァイオリンソナタの時にも触れましたが、ソナタとはピアノとのセッションです。ピアノとの時とヴァイオリンだけの時とは曲風が違います。そこはやはり、ヴァイオリニスト・ヴィエニャフスキが垣間見えます。ピアノは若干得意としませんからヴァイオリンだけを素晴らしくしてしまうとセッションとして成り立ちませんからそれなりの作品となっています。ところが、ヴァイオリン独奏曲となると雰囲気は一変。超絶技巧のオンパレードです。

その意味では、ウィキの分け方は若干乱暴だなあと思います。ソナタと「無伴奏」に分けるべきであろうと思います。そのほうがヴィエニャフスキの特徴がより鮮明になるかと思います。どちらも素晴らしい作品が並んでいることは確かなのですけれどね。

さて、演奏面ですが、まるで知らない演奏者たちは、艶のある、表現力が豊かな演奏を聴かせてくれます。スケルツォ・タランテラでは若干アクセントが弱いかな〜という印象もありますが、全体的にはふくよかな音楽に溢れています。ヴィエニャフスキ自体がヴァイオリンの演奏者以外ではあまり日本では知られていない作曲家であるゆえか、この音源でもポーランドのわが国ではあまり知られていない演奏者達が演奏していますが、そのどれも色彩豊かで叙情性がある音楽となっています。こんな作曲家を今まで知らなかったなんて・・・・・と驚かされた音源です。

え、パガニーニは聴いていないの?という、ア・ナ・タ。ええ、この時は。もちろん、知らないわけではありませんし、聴きたいと思っていました。しかしちょうどこの時、私はこのブログのあるエントリで、ヴィエニャフスキを取り上げているのです。つまり、この作曲家を取り上げるのは実は初めてではないのです。その時にいつかは聴きたい作曲家ですと述べたと思います。その望みをかなえたということなのです。

ですので、この後当然ですがパガニーニも借りてきていますが、それはまたその時に・・・・・

では、次回のこのコーナーはヴィエニャフスキの続きとなります。



聴いている音源
ヘンリク・ヴィエニャフスキ作曲
ポーゼンの思い出 作品3
クヤヴィヤク イ短調
華麗なるポロネーズ第1番ニ長調作品4
モスクワの思い出 作品6
カプリッチョ・ワルツ ホ長調作品7
言葉のないロマンスと優雅なロンド作品9
新しい手法、エチュード・カプリス作品10
 第1番La Sautilleハ短調
 第2番La Velociteロ長調
 第3番L'e etudeニ長調
 第4番Le Staccatoイ長調
 第5番Alla Saltarela変ホ長調
 第6番Preludeロ短調
 第7番La Caenza変イ長調
 第8番Le Chant du Bivouacイ長調
ロシアの謝肉祭作品11
2つのサロンのマズルカ作品12
 牧歌
 ポーランドの歌
スケルツォ・タランテラ作品16
バルトウォミエイ・ニジョウ(ヴァイオリン)
ビオトル・ブワフネル(ヴァイオリン)
コンスタンティ・アンジェイ・クルカ(ヴァイオリン)
アンジェイ・タタルスキ(ピアノ)



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