かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ベルリオーズ 幻想交響曲

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はベルリオーズ幻想交響曲です。ムーティ指揮、フィラデルフィア交響楽団です。

この曲に初めて触れたのは高校の音楽鑑賞の時間でした。あの有名な「断頭台への行進」だったと記憶しています。

幻想交響曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BB%E6%83%B3%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2

ベルリオーズ幻想交響曲−曲の概要−
http://kcpo.jp/info/35th/genso0.html

この曲をどうとらえるかは諸説ありますが、伝統的な交響曲のように見えますが実際には交響詩的な側面が強い曲です。完全なる「標題音楽」とは言えるでしょう。

それにしても、1830年の作曲というのは、実は第九初演から7年。以前取り上げたワーグナーのピアノ版とほぼ同じ時期なのです。そういった時期に標題音楽を書くというのもベルリオーズの類まれなる才能をうかがわせます。

これ、作品14なのですよ・・・・・まったくもって、驚いてしまいます。

「近代管弦楽法の父」と言われるベルリオーズですが、特に第2楽章以降で後の作曲家が受けたであろう技法がそこかしこに転がっています。楽章が進むにつれてそれは顕著となっていきます。

実際には、登場人物が見た幻覚が時系列で並べられていますが、その経過とともにより後世の作曲家、たとえばワーグナーブルックナー、リストなどといった作曲家の音楽にも出て来るような和声や旋律が出てきます。

そのクライマックスが、最後の第5楽章ですし、その手前の「断頭台への行進」でもすでに前面に出てきています。特に第5楽章「悪魔の祝日の夜の夢〜魔女のロンド」(通称「ワルプルギスの夜の夢」)ではおどろおどろしい世界が展開され、幻想という名にふさわしいものになっています。

また、形式面でも、この曲は第1楽章の主題を使いまわしていまして、後に循環形式の成立に資力するリストやサン=サーンスなどにも強い影響を与えています。

この曲があまりにも素晴らしすぎて、ベルリオーズは「華麗なる一発屋」とも日本では揶揄されますが、実際にはレクイエムも素晴らしいですし、また交響曲でも素晴らしい作品を残しています。また、彼の業績は既に上げましたが「近代管弦楽法の父」と呼ばれるだけあって、作曲における管弦楽法のテキストを作ったことです。また、音楽評論家としても名をはせていました。

エクトル・ベルリオーズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%BA

そういった点をすべて知ったうえで、ムーティフィラデルフィアは臨んでいます。特にふくよかなアンサンブルは、この曲の特徴を浮きだたせ、聴く者に「なぜこの曲が後世に影響を与えたのか」という点が理解しやすいように思います。ティンパニ金管の表現力も決して力任せではく、表現が豊かです。さすがアメリカ三大メジャーオーケストラだと思います。アマチュアでは力任せになってしまいそうな部分も、「情熱と冷静の間」がきちんと取れていまして、言うことなしです。

実は、この時期こういった交響詩に連なる楽曲が聴きたくて、その類を集中して借りてきています。その第2弾がリストなのですが、それはまた明日ご紹介することにしましょう。



聴いている音源
エクトル・ベルリオーズ作曲
幻想交響曲 作品14a
リッカルド・ムーティ指揮
フィラデルフィア管弦楽団



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