神奈川県立図書館ハイドン交響曲全集のアダム・フィッシャー/オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団の演奏によるものの今回は第2回目。第17集を取り上げます。
この第17集には第58番から第60番「愚か者」までが収録されれています。そうなんです、これも番号順なのですね。
ですので、番号順でハイドンの交響曲の変遷を聴くことが出来るありがたい全集・・・・・ではないわけなのです。ですので、この全集も取り扱いは要注意です。
その上、モダンとピリオドの折衷で、18世紀のシフトを採用するという、玄人好きの全集なのですね、これ。
今までほかの作曲家をモダンで聴いてきました〜って人は、いきなりこれを選ばないほうが無難だと思います。こういうことをせっかくするのであれば、思い切って作曲順で収録してほしかったです。第58番と第59番は「シュトゥルム・ウント・ドランク」期の作品ですし、第60番は「聴衆への迎合と実験」期の作品です。あきらかに音楽としては違いがあるわけなんですね。
だからこそ、山根弥生子さんは素晴らしいのです。
神奈川県立図書館所蔵CD:ベートーヴェン ピアノソナタ全集1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/341
こういった全集がハイドンでぜひ実現してくれることを願っています。日本のオケでやりませんかね〜。
さて、演奏ですが、これも颯爽としているのですが、しすぎているような気もしますね。それと、最後の「愚か者」が何となく愚か者らしくない気もします。さっと通り過ぎではないかという気がします。それはそのひとつ前の第59番「火事」に関しても言えると思います。
しかし、全体としては古典派の音楽に真っ向からアプローチをかけています。低い音は弱く高い音は強くもしていますし、リフレインの部分は弱くもきちんとしています。こういった部分は私は高く評価すべきだと思います。
全体的にそういった面からこのオーケストラを評価している人は、ネットのレビューを見ますとあまり見受けられません。ピリオドの演奏でもなかなかその点をきちんとやらないオケの多い中、こういう基本的な点をおろそかにせずやっている演奏は本当に人類の宝です。
実はそういった点に注目して聴き始めますと、ハイドンの音楽は以外にも、後期ロマン派以降の音楽に影響を与えているということに気が付くのです。いや、ハイドンというよりはハイドンも含め古典派やそれ以前の音楽がというほうが適切だと思います。
つまり、この演奏は「素晴らしすぎる」のです。
聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第58番ヘ長調Hob.�T−58
交響曲第59番イ長調「火事」Hob.�T−59
交響曲第60番ハ長調「愚か者」Hob.�T−60
アダム・フィッシャー指揮
オーストリア=ハンガリー・ハイドン管弦楽団
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