かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン交響曲全集35

神奈川県立図書館所蔵CDハイドン交響曲全集もいよいよ最終回の第35回目。第103番と第104番をとりあげます。このカップリングは全集でなくてもありますね。

今回も以下のサイトとウィキを参照しています。

ハイドン交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn

まず、第103番「太鼓連打」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-103

1795年に作曲されました。名称の由来は第1楽章冒頭のティンパニの連打なのですが、これは前曲を通じてところどころに出てきます。それよりも特徴は、第1楽章のソナタ形式にありまして、ニ短調の勇壮な序奏が実は主題でもあるという、のちのベートーヴェンの第九に通じる構造になっているのです。

再現部にもう一度コーダとして序奏が出てくるのですね。こういった点、本当にハイドンらしいです。

第4楽章には二つのヴァージョンがありますが、この音源では短い方を採用しています。

交響曲第103番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC103%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

このウィキの説明では、加筆となっていますが、これを文字通り受け取らないほうがいいのかもしれません。この音源にも二つ収録されていますが、演奏時間はドラティが正規に演奏させているもののほうがみじかいのです。ですので、加えたのではなく、手を入れたと考えるほうがいいのかもしれません。

つまり、ロンドンでは長かったのを、ウィーンでは短くしたということ、ですね。モーツァルトもピアノ協奏曲でそんな訂正をやっています。もっともモーツァルトの場合は全く違う音楽になりましたが、ハイドンの場合は同じものに手を入れているという点が注目です。よほど自信があったと考えていいでしょう。

ウィキの説明を読んでいましたら、この曲は初演にヴィオッティがコンサートマスターとして参加しているようですね。ビックリです。最近ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲を買ってきたばかりです。そういえば、第2楽章にはヴァイオリンソロの部分があります。その部分はヴィオッティを念頭に作曲したのかもしれませんね。その割にはとても古典的な音楽で、ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲のイメージからはかけ離れています。

今月のお買いもの:ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲第16番・第24番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/638

こんな点にも、ハイドンがあくまで自分を貫いているうえで、何か驚かせてやろうという姿勢が見受けられます。

次に、第104番「ロンドン」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-104

これも1795年の作曲です。ロンドンという名称は19世紀になってつけられましたが、この曲の出来が素晴らしいのでつけられたのでしょうね。実際、「ザロモン・セット」期の交響曲はほとんどロンドンで作曲されたものなのですから。特段この曲だけロンドンで作曲されたわけでもないですし、この曲だけがロンドンで演奏されたわけでもないのですから。

よほどこの曲が評判良かったのでしょうね。確かにこの曲はハイドンを代表する交響曲となってもいますし、音楽的にも最も熟した作品でもあります。

演奏としては、太鼓連打は本当に素晴らしいアンサンブルと疾走感があって、古典的だと思います。いっぽうロンドンは、ちょっとだけハイドンに遠慮したのかな、と思います。疾走感が今一つです。もう少し飛ばしてもよかったような気がします。まあ、端整な演奏を心がけているこの全集なのでそれも一つの答えでしょう。ただ、ここまで端整さと疾走感が同居してきているので、それを最後まで貫いてほしかったなあと思います。疾走感という点では、以前ご紹介したピリオドのほうが素晴らしいです。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン ロンドン交響曲集�X
http://yaplog.jp/yk6974/archive/219

しかし、アンサンブルは決して負けていませんし、むしろこの全集のほうが素晴らしいのではないでしょうか。もう一度そういった点からこの全集は見直されるべき演奏だと思います。

さて、今回でこの全集のシリーズは終了ですが、もうすこしだけハイドン交響曲にお付き合いくださいませ。音飛びが激しかったものを別な音源で借りてきているのです。そのシリーズを3回やりたいと思います。たまたま3枚組だったので・・・・・

そして、ハイドン交響曲はこの全集ではここで終わりですが、新ハイドン全集ではもう3曲あるんですね。番号がついていないものが3曲なのですが、偽作説など様々なものがあります。参照しているサイトではそのうち第108番だけをとりあげています。なお、演奏としてはそのサイトであげられているものと、ナクソスからも出ていることを触れまして、この全集シリーズを終えたいと思います。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」Hob.I-104
交響曲第103番変ホ長調「太鼓連打」Hob.I-103(異版のフィナーレ)
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリ



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