かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン交響曲全集31

神奈川県立図書館ハイドン交響曲全集の第31回目は、いよいよ「ザロモン・セット」に突入。第94番から第96番までとなります。

ようやく、番号順に落ち着くあたりにもなります。

この時期のハイドン交響曲は、円熟味もさることながら、時期的には「モーツァルト以後」なのであるということを頭に入れるべきと思います。そしてまだベートーヴェン交響曲を作曲していない時期でもあります。

つまり、この「ザロモン・セット」期は、モーツァルトというスターがいなくなって、ベートーヴェンという次なるスターが出てくるまでの作品という位置づけになるのです。

今回も以下のサイトとウィキを参照しています。

ハイドン交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn

まず、第94番「驚愕」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-94

1791年の作曲です。この名称のきっかけになっているのが第2楽章で、トゥッティによるフォルテがとても印象的ですが、こういった仕掛けは実は古典派では珍しいものというべきでしょう。そもそも、古典派の時代までは、低い音が来た時にはピアノにして、高い音が来た時にはフォルテにするのが一般的な演奏法でした。それを打ち破ったのが、この「驚愕」と言えるからです。

もちろん、そのセオリーを一切無視しているわけではありませんが、まず初めに同じ音程でそれをやってのけている点が注目なのです。いかにハイドンが聴衆を驚かせてやろうと作曲したかが分かります。しかしそれは自らを殺しているのではなく、私はハイドンが「前衛作曲家」という自らのスタンスを思いっきり全開にしたというべきなのだと思います。

まず第1楽章で無難に入っておいて、この第2楽章でこのびっくり箱をやるというのは、私はハイドンらしいと思います。聴衆にすり寄っているように見えて、実はしっかりと我が道を行っているハイドンの姿が浮かび上がってきます。

次に第95番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-95

これも1791年の作品です。ハイドンが書いた11の短調交響曲の一つですが、この第1回ロンドン旅行ではこれが唯一のものとなります。ハ短調と言いますとベートーヴェンの「運命」と同じ調性であるわけですが、この曲はそれほど深刻な雰囲気を湛えているわけではありません。しかし、気品があり、気高さを有します。第4楽章ではハ長調へと転調するなど、むしろモーツァルトからの刺激というものからいずるものであるように思います。

明るさも随所にちりばめられていて、ハイドンらしさもよく出ている作品です。

最後に第96番「奇跡」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-96

これも1791年の作曲です。「奇蹟」と書かれる場合もありますが、いずれにしても、この曲は初演時のシャンデリアが落ちたのにけが人がでなかったというエピソードにその名称の由来がありますが、そのエピソードは実際にあったようです。しかし、それはこの第96番ではなく、第102番の初演時だったようです。

交響曲第96番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC96%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

実は、この3曲が並びますとこの「ザロモン・セット」期の交響曲の特徴が語れるので御紹介しますが、実は第94番と第96番には第1楽章に序奏がついています。そしてそれがこの時期のハイドン交響曲の特徴でもあります。そして第95番は、その中でも唯一序奏がない第1楽章を有する曲なのです。

この特徴は、たとえば次のベートーヴェン交響曲を見るときに、第1番と第2番には序奏がありますが、「英雄」では序奏がなくなっています。そして第7番で再び序奏が付きますが、第8番では再び序奏なしとなり、第九では第1主題がまるで序奏のように始まりますが実際には序奏なしであるという構成にたどり着くことになります。

モーツァルトは実はこういったことをやっていないことを考えますと、実はハイドン交響曲はその構成面においてまっすぐベートーヴェンに受けつがれているのです。ですので、以前から述べていますが、ハイドンモーツァルトベートーヴェン、ではなく、むしろモーツァルトハイドンベートーヴェンであるということなのです。

偶然ではありますが、そういった点がこの第31集から見ることが出来ます。だからハイドン交響曲は聴いていて面白いのです。

その名曲群を、奇をてらわず古典派のセオリー通り演奏するこの音源は、私は素晴らしい遺産であるし、その重要性はいまだ色あせないと思います。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第94番ト長調「驚愕」Hob.I-94
交響曲第95番ハ短調 Hob.I-95
交響曲第96番ニ長調「奇跡」Hob.I-96
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリ



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