かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:バッハ カンタータ全曲演奏シリーズ40

今月のお買いもの、3枚目は毎度おなじみのバッハ・コレギウム・ジャパンのバッハカンタータ全曲演奏シリーズの、第40集になります。

収録カンタータは、収録順に第137番、第168番、第79番、第164番の4つです。1725年の夏から秋にかけ初演されたものになります。

そのうち、秋に初演されたのは第79番(1725年10月)。後はすべて夏、7月および8月です。夏から秋へという編集ですね。

まず、第137番は1725年8月19日に初演された「コラール・カンタータ(既存のコラールを全曲でそのままあるいは編曲して使用するカンタータ)」です。冒頭の合唱からして祝祭感あふれ、それが全体を貫いています。各楽章が「主を頌めまつれ」で始まっているのも特徴です。さらに全体的に3拍子となっているのも特徴で、どれだけこの曲が「神の礼讃」に貫かれているかが分かります。そういえば、この曲が使用された8月16日というのは、「三位一体節後第12日曜日」の「ヨハネの祝日」なんですね・・・・・

次に第168番ですが、1725年7月29日(三位一体節後第9日曜日)に初演されたものです。この内容は簡単に言えば不正な利得を拒絶せよ!それは神の御心にそぐわないということなのです。冒頭とても厳しい曲で始まりますが、それは間違いなくカトリックとの確執に起因するわけですね。つまりはいわゆる「宗教改革」です。これがいろんな方面とかかわりがありまして、このブログのこのコーナーだけでは言い尽くせませんので、できれば皆さんご自分で調べていただきたいと思います。なぜこの曲が「不正の利益」を嫌うことをテーマとしたのかが分かってくるかと思います。

第79番は1725年10月31日初演のまさしく「宗教改革記念日」という節目のために作曲されたカンタータですが、実はバッハがこの祝日のために作曲したのはこれ一つしかないのです。後は旧作の使いまわしで終始しています。ルター派のバッハとしては珍しい行動だと思いますが、私としては何となくそれが後年「ロ短調ミサ」へとつながってゆくのかな〜って思います。つまり、音楽家バッハとしては当然先進地域イタリアというものも意識しているでしょうし、そこからしますと簡単にプロテスタントとして割り切れるものではないという気持ちもあったのだと思います。つまり、本来ローマ教会の専制に対抗して生まれたプロテスタントが、同じ呪縛に陥ってしまっている・・・・・だからこそ、1曲しか書かなかったという可能性もあります。

これは偶然かもしれませんが、第168番と第79番が並んでいるのですね。このことから、鈴木雅明氏が言いたいことが浮かび上がってくるように思えるのです。プロテスタントの教義に忠実であろうとしても行き過ぎれば、それはカトリックと同じ轍を踏む・・・・・それをバッハは嫌がったのだ、と。私も同感です。

第164番は1725年8月26日(三位一体節後第13日曜日)に初演されたカンタータです。構成としては第168番どうよう冒頭がソロで始まり最後が合唱で終わるというものです。この並べ方も粋ですね〜。隣人愛を解いたものであるんですが、それは決して甘美なものではありません。むしろ厳しい音楽で彩られています。キリスト教の隣人愛は・・・・・なんていう人も日本にはいますが、そういった人たちは間違いなくバッハを聴いてはいないでしょう。決して隣人愛とは優しくすることだけではないんですね。自他ともに厳しさがもとめられるものでもあります。それをどう実現するか・・・・・カンタータは宗教音楽であるからこそ、それを聴き手に突きつけます。

さて演奏は申し分ないです。アインザッツ、アンサンブルも秀逸です。バロック期特有のソロとトゥッティのバランスも絶妙です。バッハに限らずですが、バロック音楽を楽しむというのはこの「バランス感覚を楽しむ」ということでもあると思います。器楽曲ではそれほどその後の時代と変わりありませんが、アンサンブルの曲となりますと途端に古典派以後とバロックとでは違いが出てきます。その認識をきちんとしないと、古典派以後では素晴らしい演奏ができる団体でも、バロックではこけるということはよくあることです。バロックとは「ゆがんだ真珠」という意味を持つ、ということを再認識させされるのが、わたしにとってはBCJの演奏なのです。



聴いているCD
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
カンタータ第137番「主を頌めまつれ、力つよき栄光の主をば」BWV137
カンタータ第168番「務めの報告をいだせ!と轟く雷の言葉」BWV168
カンタータ第79番「主なる神は日なり、盾なり」BWV79
カンタータ第164番「汝ら、キリストの者と名のるともがら」BWV164
野々下由香里(ソプラノ)
ロビン・ブレイズカウンターテナー
桜田真(テノール
ペーター・コーイ(バス)
鈴木雅明指揮
バッハ・コレギウム・ジャパン
(BIS SACD-1671)



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