かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:バッハ カンタータ全曲演奏シリーズ43

今月のお買いもの、今回は3枚購入しました。予算の関係上、今月は横浜での購入を見送り、今月は銀座山野楽器のみでの購入となっています。

その一枚目は毎度おなじみ、バッハ・コレギウム・ジャパンのバッハ カンタータ全曲演奏シリーズの、第43集です。

このアルバムには、集録順に第110番、第57番、そして第151番が収録されていまして、すべてクリスマス用のカンタータです。1725年から1726年に作曲されたとされていますが、第57番と第151番は成立および初演にいくつか説があって、定かではないのですが、クリスマス用であることは間違いありません。

それにしても、この時期にクリスマス用ですかと言われそうですが・・・・・いや、単に順番に買っているだけです、はい。

BCJはほぼ年3〜4枚のペースでCDを出していますが、WMPCDDBを見てみますと、2009年5月17日とありますので、恐らく一昨年リリースであることは間違いないと思います。本来は年末にリリースするべき様な構成ですが、BCJはまずCDでアルバムを出しておいて、それをコンサートに反映させるという、いわばJ−POPと同じようなやり方をするのです。つまり、次のシーズン、2009〜2010年シリーズにおける年末演奏を念頭に置いて編集している、ということになろうかと思います。

さて、まず第110番ですが、3曲の中では唯一初演時がはっきりしている曲で、1725年12月25日の初演です。つまりまさしくクリスマス当日用の曲であるわけです。それにふさわしい冒頭の堂々たる金管や、のびやかな合唱は、祝祭感にあふれています。その冒頭の曲は原曲が管弦楽組曲の第4番の合唱ヴァージョンとも言うべき作品です。

管弦楽組曲
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%A1%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E7%B5%84%E6%9B%B2

第4番はBWV1069とされている作品で、もともとケーテン時代あるいはワイマール時代に作曲されたもののようです。それをまずこのカンタータに使うために編曲し、のちにコレギウム・ムジクムで演奏するために大幅に加筆されたようです。その意味ではこのカンタータはその管弦楽組曲の原型を見ることが出来る作品でもあります。こういったアレンジという点も、バッハの音楽の楽しみでもあります。その点では私はバッハの音楽はとても現代的な作品であると思っています。

次に第57番です。1725年説と1726年説とがありますが、このCDではどうやら1725年説を取っているように思います。この第57番はクリスマス祝日の第2日目に演奏される曲なのですが・・・・・

その割には曲は多少暗め。まじめな雰囲気が漂います。なぜなら降誕節第2日目は、殉教者ステバノの記念日だからなのです。

神の霊に満たされた殉教者ステパノの死
http://www.senkyokai.com/beginners/present/biblesuccess/stephano.html

私たちは基本的に仏教あるいは神道ですから、クリスマスは単なる年末のお祝い事という感じで過ごしますが、特にプロテスタントではそんな陽気な行事ではありません。むしろお正月のような、清新な行事なのです。ですのでよく西洋のクリスマスは端的に言えば日本の正月と一緒だと言われるのです。

私たちが正月に「一年の計は元旦にあり」などと言って、書初めなどをしますが、降誕節とは本場ではそういった真面目なものなのであるということだけは、心にとめていていいと思います。日本は日本のクリスマスを祝えばいいのですが、かといってそれが当たり前であると思っていはいけません。もし日本人特有の行事が海外で違ってとらえられて、「それが当たり前なんでしょ?」と言われたら、いったいどう思うでしょうか?それを考えるべきだと思います。

最後に第151番です。これも初演が1725年と1726年と二つ説がありますが、このアルバムでは1725年を採用しているように思います。実はこの曲は降誕節第3日目用なのです。気づかれましたか?12月25日、26日、27日用と3日連続で並んだ編集となっているのが。これがBCJのアルバムの特徴です。もともと海外で出ているCDだけあって、こういった編集はにくいですね〜。だからこそ私はこのアルバムでは1725年説にもとづいていると判断したわけなのです。

もともと、第57番と第151番に関してはBWVでは1725年説で、このCDもBWVで作品を表わしている関係上でも1725年説を取っているのだと思いますが、それだけでなく、作品の完成度なども考慮に入れていることだろうと思います。鈴木雅明氏もいっぱしのバッハ研究者なので・・・・・

演奏はそれぞれ、文句のつけようがありません。アンサンブルの素晴らしさ、それを支えるしっかりとした通奏低音部分の演奏。それに乗っかるソリストの、軽い素晴らしい演奏。

どれをとっても素晴らしいものばかりです。今年の年末はこういった曲を聴いて過ごすのもいいかもしれませんね。



聴いているCD
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
カンタータ110番「笑いは、われらの口に満ち」BWV110
カンタータ第57番「試練に耐えうる人は幸いなり」BWV57
カンタータ第151番「甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり」BWV151
ハナ・ブラージコヴァ(ソプラノ)
ロビン・ブレイズカウンターテナー
ゲルト・テュルクテノール
ペーター・コーイ(バス)
鈴木雅明指揮
バッハ・コレギウム・ジャパン
(BIS SACD-1761)



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