かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:エルガーとウォルトンのヴァイオリン協奏曲

今月のお買いもの、2枚目はブリリアント・クラシックスからの一枚で、エルガーウォルトンのヴァイオリン協奏曲です。

これを買い求めた理由は、二人とも有名でありながら、管弦楽曲はあまり演奏機会がないという共通項があり、しかしほかの曲ですでに私は二人の作曲の素晴らしさに目覚めてしまったことにあります。

しかもそのきっかけは二人ともmixi「同時鑑賞会」コミュと神奈川県立図書館所蔵CDがきっかけなのです。特に県立図書館から借りたCDは、この二人の作品に対して私の目を見開かせてくれるものでした。

そのCDに関してはおいおいご紹介してゆくとして、今回のこのCDに関して説明しましょう。ヴァイオリンはアッカルドで、これも図書館から借りたCDですでに演奏の素晴らしさを知っているアーティストです。その美しくかつ豊潤な響きと動き回る技術の高さには定評があります、指揮はヒコックスとイギリスの名指揮者が登場。オーケストラはロンドン交響楽団と、ブリリアントにしては有名どころを使った演奏となっています。それで値段が630円・・・・・

これが、「ヨーロッパ品質」なのです。クラシックが本当に文化として根付いている・・・・・

さて、このCDに収録されている二人の作曲家には、共通項があります。上に挙げたものも確かにありますがその前に、二人ともイギリスの作曲家であるということです。

イギリスの作曲家と言いますと、ネームバリューではホルストブリテンなどに推されますが、この2人だって忘れてもらっては困ります。さらにはディーリアスなんて作曲家もいますが、なんといってもこの2人だと私は思います(ただ、イギリス音楽を有名にした功績という点では、ホルストブリテン、さらにはビートルズにはかなわないわけなのですが・・・・・)。

エルガーは「朝の挨拶」や行進曲「威風堂々」などが有名なのですが、私は管弦楽好きな日本人ならばやはり交響曲や協奏曲にもっと目を向けても言いのなあと常々思いますが、図書館でも実はそういった作品はそれほど人気がないので、いつ行っても借りることが出来ます・・・・・それはそれで果たして、いいことなのだろうかと考えてしまうくらい、特にエルガーに関しては素晴らしい曲を書いています。

エドワード・エルガー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC

まずそのエルガーのヴァイオリン協奏曲ですが、まず特徴としては長いんですよ、これが。それでも全曲を通じてのロマンティシズムは、聴く者を幻想的であるにも関わらずしっかりとした旋律線から生じる現実的な世界という、二つの魅力が相入り混じる世界へと連れて行ってくれます。

ヴァイオリン協奏曲 (エルガー)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC)

それはおそらく、彼が生きた時代というものもはっきりと反映しているでしょう。1910年の作曲ですが、20世紀という時代が始まって10年という時期と、大陸の趣味とは一線を画すイギリス社会を反映した作風となっています。

さらにそれはウォルトンのヴァイオリン協奏曲にも共通していると言っていいでしょう。

ヴァイオリン協奏曲 (ウォルトン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3)

ウィリアム・ウォルトン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%B3

特にウォルトンの場合、先達としてのエルガーブリテンだけでなく、シベリウスなど同時代の大陸の作曲家の影響も多分に受けている点も特徴です。イギリスのちょっと保守的なものに立脚しつつ、しかし時代(作曲年は1938年)に合わせてもゆくその音楽は、実に個性的でありながらシマノフスキのような旋律線のはっきりとしたものも聞き取れるだけ、とても心にすっと入ってきます。時間的にはエルガーのように長くはないですが、しかし隅から隅まで幻想と現実の狭間を行き来するような音楽に満ち溢れています。

形式的には二人とも古典的なものを踏襲していて、特に奇をてらったものはありません。その点でスルーされがちなのでしょうか、音楽そのものはとても美しく豊潤で、どこを切り取っても飽きがきません。特にエルガーは旋律線がはっきりしているので、なおさらそれが分かり易いでしょう。後期ロマン派的な美しさも充分あり、もっと演奏や聴かれてもいい作品であると私は思います。

アッカルドのヴァイオリンの圧巻です。もともと私は県立図書館で借りたパガニーニで彼の演奏を初めて聴きましたが、それも圧巻でした。パガニーニのようなヴィルトォーゾな曲をいとも簡単に、しかも情緒あふれて演奏するその音色は素晴らしく、それはこのCDでもいかんなく発揮されています。それをサポートするヒコックスという職人とロンドン交響楽団という名オーケストラのアンサンブル。それが630円というのもお得なんてものではありません。感謝感激です。



聴いているCD
エドワード・エルガー作曲
ヴァイオリン協奏曲ロ短調作品61
サー・ウィリアム・ウォルトン作曲
ヴァイオリン協奏曲
サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)
リチャード・ヒコックス指揮
ロンドン交響楽団
(Brilliant Classics 9173)



このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。