今、ベートーヴェンの「英雄」を聴いています。ルドルフ・ケンぺ指揮、ミュンヘン・フィルです。
勇気がほしくて・・・・・
今、いろんな感情が渦巻いていまして・・・・・ベートーヴェンの英雄を聴いています。
悔しいかな、私が買ったものではなく、図書館で借りてきたものにいい演奏が多いように思います。このケンぺも、実は神奈川県立図書館で借りてきたものです。
もちろん、私が持っているスウィトナーもいいですし、好きな演奏です。しかし、アンサンブルの豊潤さということになると、このケンぺのほうが上のような気もします。
「英雄」は、ベートーヴェンがはじめナポレオンに献呈しようとして書かれたものですが、それゆえにとても堂々としていて、なおかつ気品がある曲です。気高さと崇高さをもち、この後のベートーヴェンの交響曲のイメージを形作ってゆくきっかけにもなった曲です。
そのためか、その曲はよく受験生にはいいといわれます。ただ、私としては「第1楽章だけね・・・・・・」と申し添えますが・・・・・
受験であれば、私は「運命」を薦めています。確かに第1楽章は暗めです(主調がハ短調ですし)。しかし、「運命」は基本的にベートーヴェンの「勝利の音楽」なのです。学校の音楽の時間では古典派交響曲の代表として習いますが、私は「運命」はむしろロマン派としてとらえていまして、第3楽章と第4楽章という、闘争から勝利へというまさしく耳が聞こえなくなって身障者となったベートーヴェンが「心で聴く」という方法を勝ち取った「勝利の音楽」だからです。
受験はどう頑張ってもつらいものです。ですから、気力を持ち続ける必要があります。そういった時には、私は「運命」だと思っていますが、勇気がほしいというときには、私は「英雄」です。第2楽章の葬送行進曲は暗いイメージでとらえられがちですが、しかしそれほど暗さが支配しているわけではないですし、全体としては新しい時代を切り開く「勇気」を讃える、気高さに満ち溢れています。
ですから、私は勇気がほしいときには、英雄なのです。そして、団結に感動したときは、第九なのです。
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