今回のマイ・コレはブロムシュテットが指揮したカルミナ・ブラーナです。オケはサンフランシスコ交響楽団。あの名盤です。ロンドンnewベスト100の廉価盤。といっても当時は2000円しました。
既にシャイ―で持ってはいますが、シャイ―のをご紹介した時も述べましたが、ソリストがどうしても気に入らなかったのと、テンポが私の美意識に若干合わなかったことで、もう一枚買ってみようと思ったのがきっかけです。
それだけ、N響の定期は強烈な印象をわたしにもたらしていました。いや、私だけではありません。実はN響の定期はカルミナが好きな人たちの間でもすこぶる評判がいいのです。以前はVHSで売られていましたが、それがCDにならないのは残念だなあと思います。
その代わりと言っては何ですが、このサンフランシスコ響との演奏はまず冒頭の合唱から聴かせてくれます。ものすごい迫力とテンポ。そして合唱団の素晴らしいアンサンブルとアインザッツ。非の打ちどころがありません。それは全体を通じても同様で、このCDを聴きますと逆にN響定期の合唱団とN響がいかに素晴らしいのかが分かります。全くこれに比べてそん色ないのです。
私は、初カルミナをものすごい演奏で経験したのだなと、今つくづく思います。
このCDで残念なのはやはりソリストで、第2部の「酒場にて」ではソリストの「演技力」が落ちています。N響定期に到底かないません。なかなかこの部分で私を満足させてくれる演奏にお目にかかりません・・・・・。とはいえ、それはN響定期と比べた場合であって、シャイ―のものと比べればもちろん、ブロムシュテットのこの演奏のほうが上です。
いちおう、「世俗カンタータ」となっているわけなので、別に演技力が劣ってもいいわけではあるんですが、どうしてもこの第2部に関しては私は演技をしてほしいのです。そこがどうしても足らないのが二つのCDに共通する特徴です。素晴らしい「演技」を「聴いて」しまうと、もうそうでないと満足できません・・・・・
それだけ、この曲が持っているエネルギーが大きいということにもなるのだと思います。ですから、それを表現するには表現する側にもものすごいエネルギーが要求される曲でもあります。
実は私はこの曲を合唱団の定期演奏会で歌った経験があるのです。その時も感じましたが、この曲は聴くと歌うとは本当に大違いで、表現力だけでなく、それをやりきるエネルギーという「気力」が必要な曲なのです。リズムがあるから簡単だというわけにはいかないのです。
現代音楽の範疇としては珍しいくらいメロディーラインは簡潔で分かり易いですが、しかしこの曲も第九と同じかそれ以上に奥が深い曲です。そう簡単には成功させてはもらえない曲で、実際定期演奏会ではこけてしまった部分すらあります。しかし、だからこそこの曲のすごさが語れますし、その経験は本当に私の財産となっています。
私も今回書くにあたり、いろいろ調べてみましたが、この演奏をしのぐCDは今のところ出ていないようですね・・・・・ただ、N響の定期はそれよりほぼ1か月前だったということは言及しておきたいと思います。どんな演奏だったのか・・・・・・この一枚から、想像してみてください。
聴いているCD
カール・オルフ作曲
世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」
リン・ドーソン(ソプラノ)
ジョン・ダニエッキ(テノール)
ケヴィン・マクミラン(バリトン)
サンフランシスコ少女合唱団
サンフランシスコ少年合唱団
サンフランシスコ交響合唱団
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
サンフランシスコ交響楽団
(LONDON POCL-5100)
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