音楽において、意外と表現的に難しいのがエロティシズムだと思います。
やりすぎれば下ネタになりますし、やらなすぎれば面白くもなんともなくなってしまいます。そのさじ加減が難しいのがエロティシズムです。
ただ、性欲は人間の「五欲」の一つですから、昔から色恋は音楽でも表現の対象となってきました。たとえば、以前取り上げたカルミナ・ブラーナにもそれは取り上げられていまして、恋心はかなりストレートに、そしてその先のかなり大胆な想像はものすごく高度な比喩で表現されています。
実は、そんな時期に私が出会って、買ったCDがあります。それは、AJAの「クスコ―氏の宇宙船」です。今では「うかみ綾乃」で活動されているようですが、彼女が取り上げるのが、男女の「行為」なのです。実は、その内容はわかる人にはものすごく直接的で過激だったので、このブログでは詳しくは取り上げないことにしたくらい、ものすごいのです。
しかし、彼女の素晴らしい点は、その「行為」をかなり高度な比喩で持って表現している、という点にあります。しかし、それですらぎりぎりのラインですね。かなり若いころの作品だからなのかもしれませんが、とてもこのブログで取り上げる、つまり「マイ・コレクション」のコーナーでエントリを上げることは出来ませんでした。この程度で済ませておこうと思います。
まあ、そんなものも私は若いころ買っている、とだけカミングアウトしておこうと思います。
そのころから思っていますが、本当にエロティシズムというのは表現が難しいものであるなあということです。単にエロなものであればAVでもいいかもしれませんが、音楽、特にそれが芸術作品であればやはりそこに何か「理性」を感じませんと納得できません。
こう考えるきっかけが、先日東京都で成立した青少年条例です。いろいろ物議をかもし出した条例ですが、私も人並みにそんなものに関心があるだけに、果たしてそれがフルオープンなのはいかがなものか?と考えるのです。
古今の作曲家はその表現にとても苦労していますし、AJAですら苦労しています。そもそもあまりにも直接的なものって残りませんしね。しかし、私が知る限り漫画やゲームはかなり直接的だと思います。もう少し表現の「工夫」をしてほしいなと思います。
一体、その作品はなにを表現し、だれに発信しているのか・・・・・・それを考えれば、表現の方法は変わると思いますし、また多彩な表現ができる人ほど、あまり今回の条例改正は苦にしないのではないかと思います。
私もやろうと思えば今日のエントリはもっとエロくできますが、それをやらないのが私だと思っていますし、今後もそれを念頭に置いて書いてゆきたいと思っています。
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