かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:アヴェ・ヴェルム・コルプス ウィーン国立歌劇場少年少女合唱団

今回のマイ・コレは、合唱団の美しい歌声です。ウィーン国立歌劇場少年少女合唱団の演奏CDです。

ん、ウィーン少年合唱団の間違いなんじゃないの?という、ア・ナ・タ。間違っておりません。間違っているなんて言っちゃあいけませんよ、はっつぁん。

あるんです、ウィーン国立歌劇場に少年少女合唱団が。実際には、ウィーン国立歌劇場と専属契約を結ぶ、独立独歩の合唱団です。しかし、彼らの本拠は間違いなくウィーン国立歌劇場、あるいはウィーン・ムジークフェラインです。

全体的に少年少女合唱団らしく音が伸びきっていない点はありますが、そのアンサンブルたるや、日本の大人の合唱団が顔負けです。かつ、発声、発音が美しく、歌唱力も抜群です。

特にすばらしいのが、各パートがどんな音を歌っているかが本当によくわかるということです。いくつか日本のアマチュア合唱団でもよく歌われる曲が収録されていまして、その代表が表題曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」と「ハレルヤ」ですが、各パートがこれほどよく聞こえるCDを私は残念ながら持っていません。

子どもと大人の消化力を比べてはいけませんが、彼らもアマチュア合唱団程度の練習しかしていません。それでこれほどの実力と考えますと、わたしも買った当時練習方法を考え込んでしまいました。

もちろん、私は指導者ではなく一団員でしたからどうにもできないわけですが、それでも、この差はいったいなんだろうと考え込んでしまったのは事実です。それほど、感銘を受けたということでもあります。

かなりの人数がいることは確かです。少なくとも、弦楽四重奏団より確実に人数がいるわけで、それで各パートがこれだけよく聞こえるということは、それだけ統制が取れていることでもありますが、それだけ譜読みがしっかりしていて、さらに各パートが聴きあっているということでもあります。

まあ、一言でいえば「正確性」であるわけですが、しかしヨーロッパの合唱団もすべてそれができているかといえばそれは違います。ですから、このCDは感銘を受けるのです。

しかも、このCDは日本でのツアーの記録なのです。それでこれだけの演奏・・・・・いったい、私たち日本人はそれに対する感謝の念をどれだけ持っているのだろうかという気がします。

確かに、お金があれば教育は進みますが、もっと情熱というものがそこには前提条件として必要なんじゃないか、という気がします。それを考えさせるだけのインパクトがこの演奏にはあります。

私が入っていた合唱団はもちろんアマチュアですから、国から資金がでていたわけではありません。ぜんぶ自腹です。しかし、それにより本来は情熱というものが生まれるはずだと思っています。しかしながら、私の合唱団はパトロンにおんぶにだっこになってしまった点は否めなかったなと、今となっては思います。

日本はまだまだだと思いつつ、でも、きっと彼らが蒔いた種は日本のどこかでかならず芽吹いている・・・・・・そう信じてやみません。



聴いているCD
ウィーン国立歌劇場少年少女合唱団
(カメラータ・トウキョウ 25CM-339)