かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:フェニーチェ管弦楽団第1回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和5(2023)年3月21日に聴きに行きました、フェニーチェ管弦楽団の第1回定期演奏会を取り上げます。

このオーケストラを聴きに行こうと思ったのは、かなり単純な理由でして、まず会場が三鷹市芸術文化センターであったことで近場だったこと、そして無料であったことです。

フェニーチェ管弦楽団は、東京のアマチュアオーケストラで、そもそもは23区内が活動地域のようなのですが、今回は三鷹をホールとして選んだようです。コロナで演奏ができなくなったことから演奏の機会を作るために結成されたオーケストラだと、コンサートの冒頭で説明がありました。その点では、演奏することに対する熱量が大きいオーケストラであるように思います。

fenice-orchestra.com

この当日、午前中私はWBCの日本対メキシコ戦を見ていましたが、まさに代表選手たちのような熱量を持ったオーケストラである、といってもいいのかもしれません。実は直前まで行こうかどうしようかと思ったのですが、天候がいいことから聴きに行くことを決断しました。ちょうど村上選手のサヨナラツーベースヒットが脳裏から離れないということもありました。当日のメインは、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」。まさに「村神様」にふさわしい曲ではありませんか!

ですが実は、このコンサートかなり濃ゆいものでありまして・・・・・2部制だということが現地で初めて分かったのでした。ありゃりゃ、となるとこれは2時間を超えるなあと・・・・・まあ、オーケストラ・ダスビダーニャさんに比べればどうってことはないんですが・・・・・その前に演奏されるのがモーツァルトの「魔笛」序曲でしたので、その二つならそんなに時間かからないよねと思い、お昼ご飯を抜いてしまったのでした・・・・・そもそも、WBCがかなりしびれる試合だったので食事を作るどころではなかったということもありますが。

1部は、オーケストラ団員の方である、蛯名冬実氏の還暦を祝う室内楽演奏。公務員音楽隊(どこの自治体なのかは明かしてはくれませんでしたが、オリンピックに参加とあるので、東京都であることは間違いないとは思いますが、それが警察なのか、消防なのか、はたまた都響なのかまではわかりませんでした)勤務ということで、普段はアンサンブルで演奏されていると思うのですが、最初はかなり緊張しているように思いました。とはいえ、初めて聴く曲であってもフレージングを大切にする演奏はかなり豊潤であり、大変気持ちよく聴けたのは素晴らしかったです。オーケストラの団員の方のサポートも実直で素晴らしいものでした。驚いたのは蛯名氏よりも前に演奏をした中学生の石川美音さんのハープ。もうプロだと言ってもいいくらい!将来楽しみです。

休憩をはさみ2部がオーケストラの演奏。モーツァルトの「魔笛」序曲は古楽のようなバッサリ切るような演奏。それでいて生命力がある熱量の多さ!その上でアマチュアらしいやせた音がほとんど見受けられないレベルの高さ。第1回定期でこれだけの実力をただき出すとは!実に爽快でした。

「英雄」も同じような演奏であるに加えて、気持ちがはいっているのが演奏からビンビン伝わるんです!しかも、英雄ではむしろあまりバッサリとは切らずかなりフレージングたっぷりな面もあり、絶妙なバランス。前進力が感じられる演奏で、思わず熱いものがこみ上げてきます。実に私好みの「英雄」の演奏でした。聴いていてやはりフラッシュバックするのは、午前中のWBC、大谷のツーベースヒットからの村上のサヨナラ。できすぎているようにすら思いました・・・・・

たまたまホールが近場なので聴きに行ったというコンサートだったのですが、実に素晴らしい経験だったと思います。毎回三鷹でやっていただけるのであれば、足しげく通いたいオーケストラだと思いますが、はたして・・・・・いや、都内で駅近なのであれば、どこへでも聴きに行きたい魅力があるオーケストラであるように思います。

 


聴いて来たコンサート
フェニーチェ管弦楽団第1回定期演奏会
第1部
オープニング 石川美音さんによるハープ演奏
アッセルマン:泉
グリエール即興曲
蛯名冬美氏還暦記念室内楽演奏
プッチーニ:私の愛しいお父さん
サン=サーンス:白鳥
エルガー:愛のあいさつ
カッチーニ:アベ・マリア
ピアソラリベルタンゴ
第2部
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
歌劇「魔笛」序曲
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
蛯名冬美(トロンボーン
麻生真樹(ピアノ)
石川美音(ハープ)
閏間健太指揮
フェニーチェ管弦楽団

令和5(2023)年3月21日、東京三鷹三鷹市芸術文化センター 風のホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。