コンサート雑感、今回は令和2年2月1日に聴きに行きました、オーケストラHALの第19回定期演奏会を取り上げます。
愛着をこめて、「ハルオケ」さんと略称させていただきますが、ハルオケさんの演奏会にはこれまで何度足を運んだことでしょう。しかし、最近はなかなか予定や体調が合わず、断念せざえるを得ない状況が続いていました。
ようやく、今回いけることは本当に喜びでした。しっかし、当日は予定変更の嵐でして、前日日勤上がりのはずだったのが夜勤も入り、さらに午前中何もない予定だったのが親戚の墓参りが入り・・・・・総統は相当寝不足でして、〇〇〇いぷるんぷるん!・・・するわけないでしょ!
そんな、くっだらないギャグを叫ばないとやってらなんないくらい、眠かったんです。けれども、ハルオケさんの素晴らしい演奏を聴くためにやれるだけのことをやっていきました。
そして今回、1プロから聴けたのは本当に幸せでした。やはり素晴らしいオケの演奏は最初から聴きたいですから。
さて、今回のプログラムは以下の通りでした。
①ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
②R.シュトラウス 交響詩「ドンファン」
③ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
2プロにリヒャルト・シュトラウスの交響詩を持ってくるというのは個性的だなあって思います。いや、ドンファン自体はコンサートピースとして珍しいものではありませんが、やはり2プロとして持ってくるのは珍しいのではないかなあって思います。
ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」は演奏会用序曲ですから、これは順当な選択だと思います。その意味では、今回のハルオケさんはプログラム的にはあまり冒険をしなかった、とは言えると思います。ただ、そういうときは演奏に特徴が出るもんでして・・・・・
ベルリオーズでの、いきなりの豊潤なサウンド!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!これぞハルオケさんだ、と。体を思いっきりゆすって表現しているさまは、音楽を奏でる喜びを客席まで伝えるに十分すぎるほど。
続くドンファンでもそれは変らず。彼らが演奏することで「語る」そのスタイルは、本当にいつも私に感動と好印象を残させてくれます。
そして、メインの「英雄」。前半はかなりアグレッシヴなのに、それでも歌うし語る!音をバッサリ最後を切ってしまうんじゃなくて、ハイテンポの中で残響をいつくしむかのように音を終わらせていく演奏。古典派交響曲の最終形態ともいえる「英雄」の中に実はロマン派的要素もしっかり備わっていることを、ハルオケさんの演奏からは聴こえるんですよね~。
もちろん、指揮者石毛氏の解釈が素晴らしいと思うんですが、その解釈をしっかりと表現するハルオケさんがなんと言っても素晴らしんです。アマオケで指揮者の支持を本当に的確に表現できるオケなんてそうそうないですよ、ほんとに。だからこそ、できるだけ毎回聴きに行きたいんです、ハルオケさんは。
後半、第3楽章からはゆったりになっていきます。実はこれは、私の「英雄」演奏における美意識とは正反対なんですが、それが全く嫌じゃない!むしろ、その演奏に説得力を感じ、聴き入っている自分がいるんです。こういう演奏ができるオケが本当に素晴らしいオケなんですよね、ほんと。
その意味では、休憩中些細なことで声を荒げた人がいたことは、誠に残念なことでした。オケの演奏に影響が出なければいいけどと思っていましたがそれは杞憂に終わったようです。確かに当日はロケーションの杉並公会堂はほぼ満員だったので、隣の席の人に迷惑をかけるなんて当たり前であり、だからこそ声を掛け合うということが大切なわけです。しかしそれは全体の問題ではなく当人同士の問題です。声を荒げてほしくなかったなと思います。そのほうがどれだけ迷惑なことか・・・・・読者の皆様も考えていただけると幸いです。おそらくアサーティヴに伝えればよかっただけだと思います。
ハルオケさん演奏はまさに、その「アサーティヴ」なものの現出でもあるわけです。そういう演奏を楽しみにしている人たちに対して、迷惑をかけたことの方をまず謝ってほしかったなあって思います。演奏が本当に素晴らしかっただけに、とても残念でした。次回第20回では、素晴らしい演奏に加えて素晴らしいマナーがあるといいなあって思います。
聴いてきたコンサート
オーケストラHAL第19回定期演奏会
エクトル・ベルリオーズ作曲
序曲「ローマの謝肉祭」
リヒャルト・シュトラウス作曲
交響詩「ドンファン」
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
石毛保彦指揮
オーケストラHAL
令和2(2020)年2月1日、東京杉並、杉並公会堂大ホール
地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。