かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:リャプノフ 交響曲第1番ほか

東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、リャプノフの交響曲第1番などを収録したアルバムをご紹介します。

リャプノフという作曲家は、コアなクラシック・ファンじゃないとあまり知られていない作曲家ではないかと思います。ロシアの後期ロマン派の作曲家とは言いますが、どちらかと言えばその最後の時代の作曲家だと言えるでしょう。有名な作曲家が生まれた時代のちょうど狭間の時代に活躍したというほうがわかりやすいかもしれません。

ja.wikipedia.org

私自身、この図書館から借りてきたもの以外に音源を持っているかと言えばないのです。少なくともCDでは持っていません。ハイレゾを狙うほうがいいかもしれないという状態です。ナクソスなら可能性ありですが・・・・・

この音源は多分かなり適当に借りてきてリッピングしたものだと思いますが、まあ入門編としてはこんなところなのかもなと思っています。なぜなら、ウィキの記述に従えば、このアルバムに収録されている作品はみな師匠バラキレフの影響下にある作品だと言えるからです。そしてそんなアルバムなのだということを証明するかのように、アルバム最後にはバラキレフの作品をリャプノフが編曲した「イスラメイ」が収録されています。

ロシア最後の国民楽派とも言われるのもうなづけるなあと思うような作品が交響曲第1番。そしてその印象をさらに強めるのが2曲目の「ロシアの主題による荘厳な序曲」です。ただ、この二つ以外にもリャプノフの作品は数多くありますので、むしろ交響曲第2番や、ピアノ協奏曲を聴くほうが真のリャプノフの世界を理解できるのではないかと現在は思っています。

最後に収録されている師匠バラキレフの「イスラメイ」も、並んで違和感がないのが不思議に感じるということは、第1曲目と第2曲目がともにバラキレフの影響下にあるということを強く示唆するものであるわけです。その意味では、このアルバムの趣旨は「バラキレフの影響から出発したリャプノフという作曲家」という編集方針が見えてきます。

こういうロシア的な作曲家の演奏となると生きの良さを示すのが、「スヴェトラさん」の愛称で知られるエフゲニー・スヴェトラーノフ。オケはロシア国立交響楽団。ダイナミックさと生命力あふれる演奏はリャプノフという作曲家が非凡な才能を持つ作曲家だったことを示すものでもあります。ロシアの「独自性」というのはこういう文化的な点にこそあるのでは?と思います。決して政治的な点ではないように思うのですが・・・・・

それと、この音源の録音の良さ!DSEE HXを動作させてハイレゾ相当で聴いていますが、時折まるでそこにオーケストラがいるかのような錯覚に陥ります。とても美しい録音でもあるのです。録音時期的にも1980年代後半なので、それなりにいい録音があっても何ら不思議はないんですが、それにしても優れて美しいと思います。そういう美しさを経験すればするほど、なんと今ロシアはもったいないことをしているんだろうなあと思います。

 


聴いている音源
セルゲイ・リャプノフ作曲
交響曲第1番ロ短調作品12
ロシアの主題による荘厳な序曲 作品7
ミーリィ・バラキレフ作曲
東洋風幻想曲「イスラメイ」(リャプノフによる管弦楽編曲)
エフゲニ・スヴェトラーノフ指揮
ロシア国立交響楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。