かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:プロコフィエフの「交響的協奏曲」

東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリであるプロコフィエフの「交響的協奏曲」を収録したアルバムをご紹介します。

交響的協奏曲って何?って思いますがようするに協奏交響曲のことなのです。古典的な様式にもアプローチをしたプロコフィエフらしいと思います。

ですが、1曲目に収録されているその作品125には原作があります。それは同じプロコフィエフが作曲したチェロ協奏曲第1番です。

ja.wikipedia.org

ja.wikipedia.org

なぜ改訂せずに別の作品にしたのかというのは、ウィキの通りだと思いますが、それだけではないように私は思います。そもそも、プロコフィエフの古典への造詣ではないかと思うのです。

協奏交響曲とは、主に古典派前期において作曲されたジャンルで、様式的には現代の協奏曲とほとんど変わりません。ここにプロコフィエフの遊び心が満載のように思うのです。規模は原作よりも拡大され、聴いた限りでは魅力的な和声の作品です。

カップリングの小協奏曲もチェロのための作品ですが、これも前時代的な様式をもちつつも和声的には20世紀も踏まえています。未完に終わったため第3楽章だけは補筆が入っていますが、実に喜びをもって聴ける作品です。

演奏も、ソリストはハレルでこれも実に歌う演奏。アシュケナージ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も歌っているのが魅力的。アシュケナージってピアニストなのにこういったタクトが振れた人なんだなと思うと、昨今の情勢には実に残念な気持ちでいっぱいです。

作曲者が悪いわけでもないですし、演奏者が悪いわけでもないのですが、しかしロシアというだけで目の敵にされてしまいます。それは現在ロシアがウクライナで行っていることを考えれば仕方のないことではありますが、それでも私は境界線だけは引いていたいと思っています。ロシアの作曲家の作品やロシアの演奏家たちで魅力的なものは数多くあります。それを貶めているのはロシアのトップなのですから。決断さえすればいつでも評価は戻ってくることでしょう。今はそれを期待するだけです。

 


聴いている音源
セルゲイ・プロコフィエフ作曲
交響的協奏曲ホ短調作品125
小協奏曲 作品132
リン・ハレル(チェロ)
ウラディーミル・アシュケナージ指揮
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

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