かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルによるドヴォルザーク交響曲・協奏曲全集2

今月のお買いもの、令和4(2022)年5月に購入したものをご紹介しています。e-onkyoネットストアにて購入しましたハイレゾ、イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるドヴォルザーク交響曲と協奏曲全集を12回シリーズで取り上げていますが、今回はその第2回目。チェロ協奏曲を取り上げます。

交響曲は番号順で収録されているこの全集、なぜか協奏曲は作品番号順ではなく、比較的有名なものから取り上げているようで、今回取り上げるチェロ協奏曲は作品104ですが、交響曲第1番「ズロニツェの鐘」と交響曲第2番の間に収録されています。

ドヴォルザークの協奏曲と言えばずば抜けて有名なのがこのチェロ協奏曲(なので、ピアノもヴァイオリンも協奏曲があるにも関わらず通称「ドヴォ・コン」と呼ばれます)ですが、どうも私は最初に聴いたのがヨーヨー・マだったり、ロストロポーヴィチだったりしたので、チェロを思い切り感情豊かに、強めに弾く演奏に魅力を長らく感じてきました。しかし、この演奏は決してそうではなく、むしろ爽快感を徹頭徹尾感じます。

しかし、だからと言って魅力的ではないのかと言えば、むしろ歌いまくるチェロに感動しきり。おお!こういう繊細なアプローチもあるのか!と目からうろこです。

そのソリストは、アリサ・ワイラースタインアメリカ出身の女性チェリストです。

www.universal-music.co.jp

どこか枯れた感じすらするチェロ協奏曲に、爽快感を得られるなんて!この驚きはなかなかないもので、こういう演奏にあたることがクラシック音楽を聴く醍醐味であり、喜びです。ビエロフラーヴェクも筋肉質なタクトで、合わせて歌うチェコ・フィルも素晴らしいサポート。こんなに楽しく、喜びに満ちた「ドヴォ・コン」を聴いたのは初めてです。まるで母親が楽しそうにキッチンで料理をしながら鼻歌を歌っているのに、その鼻歌がプロ並みの完成度の高いものという感じで、どんな料理ができるんだろうと食卓でワクワクしながら出来上がりを待っている子供のような錯覚に陥ります。

私はこのチェロ協奏曲を、秋に聴く定番曲として長らく扱ってきたのですが、そんな季節感など関係なく、この作品は聴けるものなのだということを強烈に教えられた気がします。勿論そんな季節感なんて私自身が勝手に思ってきたことなのですが、特にヨーヨー・マのソロはそんな秋が似合う枯れた感じがする情熱的な演奏で好きですが、しかしその対極にあるかもしれないこの演奏も、私の魂を揺さぶる演奏なのです。

多分、私自身も歌いたいんでしょうね。体が不自由でもやもやしている中で、どこか自分を上げたいという気持ちがあるのかもしれません。しかし無理やり挙げたところでろくなことはないのですが、しかしこの演奏は自然と自分を「上げてくれる」演奏です。まさかこんな演奏に出会えるとは・・・・・

全く人生は「塞翁が馬」であると思います。

 


聴いているハイレゾ
アントニン・ドヴォルザーク作曲
チェロ協奏曲ロ短調作品104
アリサ・ワイラースタイン(チェロ)
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(Decca flac96kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。