かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ノリントンとロンドン・クラシカル・プレイヤーズによる「我が祖国」

東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリである、スメタナの連作交響詩「我が祖国」全曲を取り上げます。ロジャー・ノリントン指揮ロンドン・クラシカル・プレイヤーズによる演奏です。

このブログでは、スメターチェク指揮チェコ・フィル、そしてビェロフラーヴェク指揮チェコ・フィルの演奏を取り上げていますが、この演奏はちょうどその二つの中間という感じです。そもそもこの演奏を借りてきたのは、オーケストラが古楽だから、です。

ロンドン・クラシカル・プレイヤーズは、今はエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団に吸収合併されて存在していませんが、ノリントンとのコンビで数多くの古楽演奏の録音を残しています。ロマン派までも演奏してしまうという器用さが特徴だったオーケストラです。

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その古楽サウンドは全く気にならないんですが・・・・・テンポに対してはちょっとネガティヴです。特に第2曲「モルダウ」と第3曲「シャールカ」の2曲です。「モルダウ」では早めのテンポもあるにもかかわらずヴルタヴァ川のとうとうとした流れにこだわったテンポになっていて、「モルダウ」という曲が単なる風景を映した曲ではないという点をスルーしてしまっているように思います。まあ、これはノリントンに限ったことではないんですが・・・・・

一方の「シャールカ」。伝説の女戦士たちの、おどろおどろしさ、あるいは恐怖、畏怖といったものが多少希薄かな、という印象を受けます。ここはかなりのマイナス点。

ところが、後半3曲はテンポもいいし素晴らしい!古楽オケでも十分「我が祖国」を演奏できることを証明した演奏でその点は素晴らしいのですが、もう少し個性を出してもよかったような気がします。ちょっともったいない・・・・・

古楽というだけで確かに十分個性的ですけれども、古楽オケだからこそのテンポの良さを生かした演奏でも良かったような気がします。後期ロマン派の国民楽派というものにとらわれてしまったように思えるのが残念でなりません。

その点でも、やはりスメターチェクの指揮はずば抜けているなあと思います。こういう演奏を聴くことも決して無駄ではなく、如何に一番初めに出会った演奏がずば抜けていたという幸せを感じています。それはとても幸運なことなわけで、なかなかないことでもあります。それに巡り合った自分の幸運をかみしめています。

 


聴いている音源
フランチク・シクロウプ作曲
祖国よ~チェコ共和国国歌~
ベドジヒ・スメタナ作曲
連作交響詩「わが祖国」全曲
サー・ロジャー・ノリントン指揮
ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ

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