かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ケント・ナガノが振るメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」

東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリである、ケント・ナガノ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるメシアンのトゥーランがリラ交響曲を収録したアルバムをご紹介します。

トゥーランがリラ交響曲は、以前チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団の演奏を以前ご紹介していますが、今回はケント・ナガノ指揮ベルリン・フィルで聴いてみたという感じです。

トゥーランがリラ交響曲は、色彩感もある作品ですが、この演奏ではむしろ物語風に愛の情感の起伏にフォーカスされている印象を受けます。それはベルリン・フィルというオーケストラのサウンドに起因するのかもしれませんが・・・・・

とはいえ、ベルリン・フィルの一級のサウンドはさすがです。トゥーランがリラ交響曲に様々な側面があることを教えてくれます。これはこれで素晴らしい演奏です。とはいえ、私としては色彩的な演奏のほうが好きですが・・・・・

それでも、ともすればわけわからん作品と敬遠されがちなこの交響曲を、一つにフォーカスしてある側面を浮かび上がらせることにより、意外ととっつきやすい作品であることを証明した演奏だともいえるわけです。この演奏をきっかけにしていろんな演奏を聴いてほしい・・・・・ナガノ氏やオケの団員達の気持ちが伝わっても来るのです。

その意味では、とても素晴らしい演奏であると言えるでしょう。もしかするとあえて単純化したという可能性もあるのかな、と思います。以下にウィキの解説を挙げておきますが、そもそも「トゥーランガリラ」というサンスクリット語を分解してみれば、愛やリズム、音楽という意味が込められているわけなので、この解釈は決して間違っていないのです。

ja.wikipedia.org

ただ、メシアンは色彩感も入れた作曲にはなっているので、それがあまり感じられないのはどーなんだろ、とは思います。ただそれは、かなり特殊な人間の性質でもありますので・・・・・まだまだ差別というものが世界中で残っていることを考えると、これはこれで無難な選択かもしれません。メシアンが変人扱いされ、挙句の果ては差別の対象になるよりはいい選択なのかもしれません。音から色が見えるって、普通の人が持っている能力ではありませんから・・・・・たいていそういうものは、リスペクトではなく排除の論理を私たち人間は残念ながら働かせてきましたから。

もしかすると、この演奏はそういう「排除の論理」に対するアンチテーゼなのかもしれないなと思います。

 


聴いている音源
オリヴィエ・メシアン作曲
トゥーランガリラ交響曲
ピエール=ローラン・エマール(ピアノ)
ドミニク・キム(オンド・マルトゥノ)
ケント・ナガノ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

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