東京の図書館から、今回と次回の2回に渡り、バレンボイムが弾くメンデルスゾーンの「無言歌集」を取り上げます。
無言歌集はすでにこのブログでも取り上げていますので、どんな作品なのかは以下のウィキ参照で代えます。
この作品は、ピアノ曲でありながら、「歌」でもあるという点が特色だと思います。ゆえに、どれだけピアノで「歌うのか」が重要ではないでしょうか。
第1集では、バレンボイムはピアノで「歌う」ことを重視しているように思いますが、ちょっとだけ「ピアノ作品」という意識が強いかな、とも感じます。第1集第3曲「狩りの歌」は明らかに行進曲。もうちょっと歌ってほしいなと思うのですが、とはいえ、全体的にはピアノを「歌わせて」います。これはさすがです。
こんなところにも、現在の指揮者としての活躍の基礎があるのではないでしょうか。ピアニストが指揮者になるとフレージングを大切にしない人もいるのですが、バレンボイムが結構フレージングを大切にしてオケを鳴らすのは、そもそもピアノで演奏するときにも歌ことを厭わない事によるものと考えていいからです。
そんな興味もあってこの音源は借りてきたものだったのですが、ドンピシャ!むしろその「歌」に様々な風景までつけているような演奏になっているのはむしろ魅力。一つのドラマになっているんです。メンデルスゾーンの「無言歌集」という作品が一つの世界を構築しているものであり、私はその世界を表現しているんだと言いたげです。
いやあ、本当にじっくりその「世界」を味わいつくしたように思うんですが、しかしまだ前半。まだ後半が待っています。さて、どんなお味なのか、とっても楽しみです。
聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲
無言歌集 第1集 作品19
無言歌集 第2集 作品30
無言歌集 第3集 作品38
無言歌集 第4集 作品53
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
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