かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:メンデルスゾーン 無言歌集1

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回と次回の2回に渡りまして、メンデルスゾーンの無言歌集を収録したアルバムをご紹介します。

メンデルスゾーンというと、我が国では管弦楽で特に有名なのですが、実はピアニストだったということを知る人は少ないと思います。当時はシューマンと並ぶほどだったと言われるほどの名声だったと言われています。

そのメンデルスゾーンピアノ曲の中でも、比較的弾きやすく有名なのが無言歌集だと言われています。ただ、実際の演奏を聴きますと、そこまで簡単かいなって思いますけれど・・・・・

さて、この無言歌集というネーミング、ロマン派ならではだなあと思います。ピアノで無言歌、ですよ?つまり歌、です。最初びっくりしました。なんでピアノで「歌」なの?と。しかし聴いて納得、これはピアノによる「歌」なんだ、と。

メンデルスゾーンはアマチュア向けの合唱曲を作曲し続けたことでも有名ですが、そんなメンデルスゾーンにとって、ピアノで「歌」を作曲してみようという試みが、この無言歌集なんだなあと。確かに、自然と演奏すればカンタービレするのは間違いありません。だからと言って簡単ではないんですけどねこの曲・・・・・

まずは、ウィキの解説をば。

ja.wikipedia.org

8集に分かれる48曲のピアノによる「歌」。それが無言歌集、です。もっと言えば、このネーミングから、演奏者はカンタービレしてくださいね、とメンデルスゾーンが願っている、ともいえるわけです。

そんな無言歌集、このアルバムでは二つに分かれています。先ずは前半の24曲、第1集から第4集までが収録されています。二つの「ヴェネツィア舟歌」は哀愁帯びる作品。そのほかにも、メンデルスゾーンの個人的体験が反映された作品もちらほら。そんな背景からしても、これはピアノによる「歌」なわけです。

ということは、演奏としてはどれだけ「歌えるのか」が問われる作品でもある、ということを意味しますが、演奏するのはリヴィア・レヴ。全く知らない名前なんですが、これがまたじっくり歌い上げているんです。

テンポよくタッタカタッタカ、ということは全くありません。その意味では、たとえばベートーヴェンのピアノ・ソナタに慣れきってしまっている人にはつまらなく聴こえるかもしれません。しかしながらもともと合唱屋の私としては、じっくり聴けば聴くほど味わい深いこれらの作品を、じっくりと歌い上げている演奏は心地よく、また魂に迫っても来ます。歌曲にしてもよかったくらいの作品がピアノ曲として提示されている・・・・・そしてそれを楽しめること、なんと素敵なことだろう!

さて、後半はどんな演奏と作品が待っているのでしょうか。

 


聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲
無言歌集
第1巻作品19
第2巻作品30
第3巻作品38
第4巻作品53
リヴィア・レヴ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。