東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、イギリスの弦楽作品集のアルバムをご紹介します。
イギリスと言えば、管弦楽作品でも優れた作曲家を輩出していますが、ここに収録された作曲家たちも本当にどの作品を聴いても素敵です。
とはいえ、実はここに収録されている作品のいくつかは、編曲されています。ディーリアスのは弟子のフェンビーが合唱曲二つを一つとして弦楽合奏へと編曲したもの。エルガーの組曲「スペインの貴婦人」ももともとはオペラとして書かれたものをヤングが組曲としたものです。
後はすべて作曲家自身の手によるものです。それにしても、弦楽だけだと、静謐というか、音が鳴っているのに静寂さすら感じるのが不思議です。とくにイギリスものに関してはその傾向が顕著です。
それはイギリスという社会の保守性なのかもしれませんが、いずれにしてもさわやかさとどこか静寂さも感じるのです。ともすれば寂しさすら・・・・・ちょっと感傷的になっているときだと、泣いてしまうかも。
これはこれで優れた表現だと思います。いや、精神的ではない!とかいう声が聴こえてきそうですが・・・・・いえいえ、寂しいことを寂しい、と表現してどこがいけないのでしょうか?それのどこが精神性がないんでしょうか?自分の魂に向き合って、寂しさを弦楽合奏という手法で表現することは、むしろ高い精神性だと私は思います。
演奏を聞いていますと、静かな感じを受けつつも、実にヴァイオリンに感情がこもって段々強く演奏していたりして、十分感情が入っています。つまりは共感です。それゆえに、おそらく聴き手のこちらにもなにか静寂さだとかさみしさ、そして同居するやさしさや温かさをビンビン感じるのだと思います。
人間、生きていればこの手を作品を聴きたい時だってありますよ、いくらでも・・・・・
聴いている音源
グスターヴ・ホルスト作曲
セントポール組曲
フレデリック・ディーリアス作曲
二つの水彩画(エリック・フェンビー編曲)
ジョン・アイランド作曲
ミヌエット(「牧草地組曲」より)
ジェラルド・フィンジ作曲
前奏曲 作品25
ロマンス 作品11
ウィリアム・ウォルトン作曲
映画「ヘンリー五世」の劇音楽より
パッサカリア-フォルスタッフの死
女のやさしい唇にふれて別れなん
エドワード・エルガー作曲
組曲「スペインの貴婦人」(パーシ―・ヤング編曲)
ピーター・ウォーロック作曲
ガブリオル組曲
ギルドホール弦楽アンサンブル
(リーダー:ロバート・ソルター)
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