かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:メンデルスゾーン 無言歌集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シリーズで取り上げていますメンデルスゾーンの無言歌集、今回はその後半2枚目です。

メンデルスゾーンの無言歌集に親しみを覚える作品が、おそらく第5巻収録の第30番「春の歌」ではないでしょうか。CMソングにも使われる作品であると同時に、結構アマチュアピアニストがチャレンジする作品で、住宅地でどこからともなく聴こえてきた、という経験もある人も多いのではないかと思います。

そのうえで、JR常磐線いわき駅5番線の発車メロディーにもなっているのがこの「春の歌」。どんな理由でこれになったのかはわかりません。私も「鉄」の端くれなので調べてみましたが、現時点ではその理由はわかりませんでした。が、JR東日本水戸支社はいいセンスしているなあと思います(ちなみに、1、2番線を除いてあとはシューベルト)。

kaigansansei.sub.jp

※実際には6番線も「春の歌」なのですが、この6番線は磐越西線が使用しており、ワンマン運転のため使用されることはありません。

ピアノで紡ぐ「歌」としての位置づけが強い、無言歌集。この演奏でも、たとえば「春の歌」は小鳥のさえずりのような感じで弾いています。こういった驚きは、とても好印象です。発車メロディーだとかCMソングで覚えていると、実際に曲を聴いたときには驚かされますが、これこそメンデルスゾーンが表現した「歌」なんだなと実感します。

最後には、採用されなかった「騎士の歌」が第49番として収録されています。実際には第49番と表示されることは少ないはずですが、この無言歌集自体が作曲順に正確に並んでいるわけではないので、そう振ってしまってもいいのかもしれません。実際、採用された作品達とそん色ない作品で、気品すら感じます。

ja.wikipedia.org

ピアノを単に楽器とだけするのではなく、人間の声の代替えとして、ピアノを「歌わせる」作品である無言歌集。レヴは見事に「歌い上げて」います。それが当たり前だという人もいるかもしれませんが、メンデルスゾーンが生きていた時代はそれは当たり前ではなく、むしろ革新的なことだったのです。その当時の革新性を、現代のピアニズムで「歌い上げる」演奏は、心地よい時間へといざないます。

ああ、もっと浸っていたいのですが、ここらで仕事とかいう声が上がってきているので、この辺で。

 


聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲
第5巻作品62
第6巻作品67
第7巻作品85
第8巻作品102
第49番ト短調作品番号なし
リヴィア・レヴ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。