かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:グラナドス ピアノ作品全集5

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シリーズでグラナドスのピアノ作品全集を取り上げていますが、今回はその第5集を取り上げます。

第5集は二つの大作、「ロマンティックな情景」と「スペイン民謡による6つの小品」がまず第1曲目と第2曲目に収録されています。この二つ、借りてきたCDではそれぞれ一つのトラックが割り当てられていますが、実は6つの作品からなっています。

これ、調べてみないとわからないのは出版元の怠慢のような気がします。CDには2曲目は6つ(正確には7つ)どんな曲があるのかが書かれていますが、1曲目にはないんです。しかし以下の通りピティナのHPを見てみれば一目瞭然です。

enc.piano.or.jp

作曲時期は異なるものの、女性に対して献呈されているため、この二つはグラナドスのロマンティックで繊細な側面を表しているように思います。

enc.piano.or.jp

これはできれば内容を明示したほうがよかった気がします。あるいはどちらも明記しないか。そのほうが、聴き手に親切だったように思います。明記すれば理解の助けに、明記しなければ自分の想像力を働かせて。そのほうが聴いていて楽しいと思うのですけれど・・・・・

最後の「祈りの書」は、ここまでのグラナドスの絵画的な感じから一転、まるで心象風景です。この第5集はその点でこの全集の中でも特にグラナドスの作品の多様性が垣間見えるものになっています。そのうえでグラナドスの芸術の一貫性もあり、ある意味、国民楽派というジャンルらしい作品がここには並んでいるように思えます。

演奏しているライナーは、ここでは縦横無尽・自由自在に弾いているという印象を受けます。特にここまで、ソニーの疑似ハイレゾ化技術であるDSEE HXを通して聴いていますが、そのまるでリサイタル会場にいるかのような臨場感もあって、ライナーを通して作品の生命、息遣いというものを感じ取れるように思います。

特にこのピアノ曲、そしてこのライナーの演奏を通して、グラナドスという作曲家の芸術に触れて、グラナドスという作曲家の作品も好きになっていく自分がいます。いやあ、スマホに入れて聞いていたいくらいです!今のスマホなら、WAVでもそのまま聴けますしね。真にハイレゾflacと比べれば、WAVは決して大きなファイルではないですしね。こういう真のロマンティックな作品を、携帯するのもいいなあと思います。

 


聴いている音源
エンリケ・グラナドス作曲
ロマンティックな情景
スペイン民謡による6つの小品
 前奏曲
 「遥かな思い」
 「どんちゃん騒ぎの響き」
 「バスクの調べ」
 「東洋風の行進曲」
 「サンブラ」
 「サパテアード」
ゆっくりした舞曲
幽霊
恋文・心のワルツ 作品44

祈りの書
1.庭園で
2.冬
3.苦しみのなかで
トーマス・ライナー(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。