かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:グラナドス ピアノ作品全集4

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、シリーズで取り上げているグラナドスのピアノ作品全集、今回はその第4集を取り上げます。

この第4集には、小品と「詩的な情景」が収録されています。全体を聴くと一つの作品のように錯覚しますが、別々の作品達です。

グラナドスはヴィルトォーソな音楽ではなく、静かですがうちに秘めた情熱を感じさせる作品や、まるで風景を切り取ったかのような、美しい音楽を紡いだ作曲家だと思います。この第4集でもどの作品も静かながら、素朴で美しい旋律が詰まっているので、同じように聴こえるのでしょう。ですがどれも存在感があって、決して軽薄ではありません。その点がグラナドスの作品の魅力だと私は思っています。

こうやって本当に全集で俯瞰してみると、グラナドスの作品にはまっている自分がいます。機能が発達してきたモダン・ピアノで、あえて激しくではなく、美しく音を紡いでいく・・・・・その結果、音で風景が浮かび上がるかのような作品たちが生まれています。もっと言えば、ピアノという楽器の性能をフルに生かし、弦を最大限震わせ、しっとりと歌わせるのです。

それを意識してなのか、演奏するライナはじっくりと弾いているのが特徴です。しっとりとというほうが適切なのかもしれません。とにかく歌わせるのです。そこにはどこか情景への憧憬のような印象すら受けます。

作品が派手ではないので、派手に演奏することなど不可能ですが、それでもゆったり、そしてじっくり楽譜から見える風景を、ピアノという楽器をパレットとして、描いて見せる・・・・・そんな演奏なんですね。深夜とかに聴きますと、本当に癒されます。場合によっては泣いてしまうことも・・・・・

こういう作品達を聴くと、涙もろい年齢になってきたのかな、と思います・・・・・

 


聴いている音源
エンリケ・グラナドス作曲
ムーア風舞曲とアラブの歌
若き日の物語り作品1
サルダーナ
スケッチ集
マズルカ 作品2
厚紙の兵隊
牧場にて
性格的な舞曲
キューバ風に 作品36

詩的な情景
 1.遠い国々の思い出
 2.修道院の天使
 3.マルガリータの歌
 4.詩人の夢
トーマス・ライナー(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。