かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:シューリヒトとパリ音楽院管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集3

東京の図書館から、シリーズで府中市立図書館のライブラリである、カール・シューリヒトとパリ音楽院管弦楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲全集をとりあげていますが、今回はその第3回目。第3集を取り上げます。

第3集には、第4番と第5番が収録されています。この第3集と、最後の第九だけの第5集だけが番号順で、あとはランダムです。

さて、番号順になってるこの第3集。まだかろうじて耳で音が聞ける状態の時の作品と、ほとんど聞こえなくなり、絶望から「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた後の作品とが並んでいる、ということになります。

まず、「かろうじて聴こえた時期」の第4番。ベートーヴェン交響曲の中では比較的明るい作品ですが、この演奏では本当に生き生きとしてます!特に第1楽章はまるでカルロス・クライバーの指揮をほうふつさせます!ついつい私もノリノリです。

そして、「ほとんど聞こえない時期」の最初期作品である第5番。日本では「運命」という標題もつき、それがぴったりであるこの作品。激しくもどこかに希望を探すような感じがまたいい!特に第4楽章の荘厳かつ明快な演奏は、溌溂とした感じもあり、聴いていて希望を見出せる演奏です。

フランスという国は、そもそも共和制という国家制度発祥の国と言っても過言ではない国ですが(民主主義となると、古くはギリシャ、新しくはイギリスになるので同一とはならないかな、と)、それゆえなのか、結構ベートーヴェンではいい演奏も多いと言われています。この演奏を聴くと、それはうなづけるように思います。しかも、これもよく言われますけれど、ドイツのオケもしくは指揮者と、フランスのオケもしくは指揮者という組み合わせも絶妙ですが、このアルバムはその二つを満たすものであるわけです。

シューリヒトというドイツ人指揮者。そしてパリ音楽院管弦楽団(のちのパリ管)というフランスのオーケストラという組み合わせ。まさに鉄板だともいえるわけ、です。なかなか最近ではお目にかかれない組み合わせでもあります(ライブではあるとは思いますが、少なくともアルバムでは)。実は、第九で終わらず全集も借りてしまおうと思った背景には、そういう「言い伝え」に従ってみよう!という意識がありました。せっかく越してきた東京にあるのですから、これ幸い、ということで・・・・・

とにかく、府中市立図書館は全集は充実しており、これ以外にもまだまだあります。おいおいまたご紹介しますけれど、特に第5番の演奏はこの全集はぴか一だと思っていて、これぞ勝利の音楽!という演奏は、私の魂に喜びをわきあがらせるのに十分です。

ステレオ初期の録音なので、たとえば残響などがぼやけてしまっているなど、音質という点ではほかの演奏に比べると劣りますけれど(特にソニーのMusic Center for PCでDSEE HXをかけてハイレゾ相当で聴きますと顕著ですが)、その生命力という点では、ほかの追随を許さないと思います。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第4番変ロ長調作品60
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
カール・シューリヒト指揮
パリ音楽院管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。