かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:コダーイ チェロ作品全集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、3回シリーズでハンガリーの作曲家、コダーイのチェロ作品全集を取り上げていますが、今回はその第2回目です。

この第2集には、小品、そしてチェロ・ソナタが収録されています。小品も味わい深いものばかりですが、ソナタも本当に素晴らしい!

ベーとーヴェンが確立した、独奏楽器とピアノとの平等性。それぞれが対等であるがゆえに、ピアノにも高い表現力が必要となりますが、このコダーイでもそれは同じ。インプロゼーション的な部分もあり、ピアノでもまさに表現力が試されるだけに、聴いていてその世界に耽溺できる感じがとても心地いい作品です。

決して明るい作品というわけではないですが、どこか精神世界へと向かっていけるかのような神秘性も魅力的です。ベートーヴェンの、旋律がはっきりしていて、溌溂としているものも素敵ですが、このコダーイのように時として静かに耽溺する音楽は、ベートーヴェンを超えたと言ってもいいようにすら感じられます。

実際に、演奏としてはかなり表現力と、それを支える体力も必要になる作品だと思います。静かに沈降していく場面など、結構弦とかしっかり腕で支えないと弾ききれないはずですから。モダン楽器の能力を存分に活かした作品、だと言っていいのではないでしょうか。

演奏するのは第1集とおなじ組み合わせなのですが、肩の力を抜きつつも、のびのびとして力強い演奏をされており、ひとつの幽玄な世界すら描いているのには脱帽です。確か元音源はナクソスのはずで、ナクソスはどこでこういったタレントを見つけてくるのだろうかと思います。山水画のように、深い山々の中に草庵があって、そこに仙人がいるかのような描写が目に浮かんできます。

 


聴いている音源
コダーイゾルターン作曲
ソナタ楽章(1909)
奇想曲(1915)
ソナチネ(1920)
チェロ・ソナタ嬰ヘ短調作品4(1909~10)
第1楽章:ファンタジア
第2楽章:
ハンガリー民謡から、ロンド(1917)
ミクロ―シュ・ペレニー(チェロ)
デネス・ヴァリョン(ピアノ)

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