かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:コダーイ チェロ作品全集3

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、三回シリーズのコダーイ作曲チェロ作品全集の今回は第3回目。第3集を取り上げます。

収録曲は、エピグラム、バッハ作品編曲、そしてチェロ・ソナタです。チェロ・ソナタは番号がついていないんですね。第2集でもチェロ・ソナタが収録されていますがそれとは別の作品です。

エピグラムは、警句と訳されますが本来はとてもウィットにとんだ風刺もの。ですがここでは、特段何も縛られない作品として扱われているようです。静かな曲ですがしかし、その自在な内容で時間はあっという間に過ぎ去っていきます。

その次がバッハのBWV 853をチェロへと編曲したもの。このバロックの名曲が、コダーイの作品の中で聴いても違和感がないことに驚かされます。

そして、チェロ・ソナタ。第2集で取り上げた作品よりもさらに沈降していく感じがして、内面性が深い淵から出てきているかのような感じがします。しかもです、このソナタ、じつはピアノなし。つまりは、ソナタとなっていますが、正確には無伴奏ソナタ、です。

そう、バッハも作曲した組曲とおなじ編成、です。こう見ていくと、コダーイは我が国では教育者だったり、きらびやかな管弦楽だったりで有名ですけれども、むしろ、バッハへの尊敬の念が強かった人だった、ということを教えられているような気がします。

二つのバッハ作品の編曲、そしてバッハが作曲したチェリストにとっての最高峰ともいうべき、無伴奏チェロ組曲とおなじ編成で書かれたソナタ。実は、このアルバム、ずっと私もあいまいな記憶の中でナクソスと思ってきましたが、検索してみるとなんとフンガロトン!もちろん、3枚とも、です。これで納得。

素晴らしい演奏者も、この選曲も、祖国だからこそのものだったんだ、と。それをさらに、前回辺りからPCのアプリをWMPではなく、ソニーのMusic Center for PCに替えて、DSEE HXをかけて聴いています。ロケーションは3枚ともフンガロトンのブタペストのスタジオ。思い切ったppの使い方など、スタジオ録音奈良ではの思い切った演奏が聴けるのも、このアルバムの特徴のように思います。

その思い切った演奏は、作品の魂を顕在化させ、スピーカーを通して語り掛けてきます。こちらはそれにどう応答するべきか?と考えながらも、沈思黙考していく・・・・・そんな時間がとても楽しく、時間はあっという間に過ぎ去っていきます。

コダーイと言えば、管弦楽と合唱作品しか知らないような状況だった私が、豊潤な室内楽も知れたことは、わが人生をさらに豊かにしてくれると信じています。

 


聴いている音源
コダーイゾルターン作曲
エピグラム(警句)(1954)
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻 - 第8番 前奏曲とフーガ 変ホ短調 BWV 853(コダーイ編曲)(1951)
チェロ・ソナタ 作品8(1915)
ミクロ―シュ・ペレニー(チェロ)
デネス・ヴァリョン(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。