かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:タッシェン・フィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集6

今月のお買いもの、令和2(2020)年7月に購入したものをご紹介しています。シリーズで取り上げているタッシェンフィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集、いよいよ最後の第6回です。

最後はもちろん、第九。そもそも、この全集の存在を知ったとき、その編成で第九をやったらどんなサウンドになるのか?という疑問から出発しましたので、じつは一番最初に第九を聴いています。その時の印象はあまりよくなかったのですが・・・・・

聴いているうちに、これ、いいぞ!と変わって行きました。特に、スマホに入れて、Xperiaの機能であるDSEE HXを入れたり入れなかったりしながら聴いてみると、なんと緊張感があって引き締まった、情熱的な演奏であることか!

さすがにベートーヴェンも、第九を作曲するときには当時としては大編成のオケを組んで初演したことが記録に残っています。それよりも少ない編成で、初演よりも大編成の演奏を聴きなれた聴衆を納得させるだけの表現ができるか、そして自分たちの「歌」が歌えるかは、こういった小編成のオケにとって至上命題とも言えるでしょう。

その至上命題を、いともたやすくしてしまっていることに、3度目くらいから気づいたのです。いやあ、すごい!

正直、演奏としては変態演奏とは言えません。いつも私が問題にするvor Gott!の部分もほぼ6拍ですし。よくぞ室内楽に毛が生えた編成でもって、大編成にそん色ない演奏を実現したなあと思います。シュタンゲルの編曲も素晴らしいのだとは思いますが、少なくともどこかを端折るとかは演奏からは感じられません。おそらく、弦5部あたりしかいじっていないのではないでしょうか。例えば、ヴィオラが二つに分かれる部分とか、です。

本当にこの演奏は、まさにこのCOVID-19感染拡大の今だからこそ、聴く価値があると思います。第九は大編成だから、公衆衛生上演奏が難しいと投げる前に、どこまで小編成でできるのかを追求することもまた、大切だと教えてくれます。

この全集に巡り合ったのは、まさに「自分を超えた大きな力」からのギフトだとしか思えません。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
アンドレア・ローレン・ブラウン(ソプラノ)
ウルリケ・マロッタ(メゾ・ソプラノ)
マルクスシェーファー(テノール)
ベルンハルト・シュプリングラー(バス)
コーラスヴェルケ・ニュルンベルク
ペーター・シュタンゲル指揮
タッシェンフィルハーモニー
(Naxos Edition Taschenphilharmonie)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。