かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:タッシェン・フィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集3

今月のお買いもの、シリーズで取り上げているタッシェンフィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集、今回はその第3集。第4番と第5番を取り上げます。

第4番は「二つの巨人に挟まれた」と表現されますし、第5番は「運命」という標題が付くもの。その二つは、交響曲の歴史の中でも、完成されたものへとつながっていきます。

そんな作品を、室内楽に毛が生えた程度の編成で演奏してしまおうというのがこの全集ですが、この二つの交響曲においては、室内楽に毛が生えた程度の編成のはずなのですが、しっくりくるんです、これが。

もちろん、極限的に編成が小さいことで、音の厚みというのがないのは否めないのですが、その欠点を感じないのです、聴こえているにも関わらず、です。

聴こえているのに、その薄さを感じず、むしろ音が際立っているのです。第4番ではその音が際立っていることがとてもいい方向へ向かっており、曲の本質がむしろ浮かび上がっている感覚になります。

一方、第5番は第3楽章まではとてもいい感じなのですが、第4楽章ではやはり少し物足りなさを感じます。管楽器をもう少しぶっ放してもよかった気がします。編成が少ないということは、各パートが最大限の音を出さねばならないといういことを意味するわけで、その点では指揮者シュタンゲルの解釈はどうなのかなあという気がします。まあ、喜びの表現としてはありだと思いますけれども。

弦楽器は本当によく頑張っているように思います。その点で何とか作品が持つ「勝利の音楽」という感じはできているように思います。それはまさしく、音が際立っていることにより踏ん張った結果生まれた奇跡だと思います。ただ、この経験は最後の第九で生かされている、とだけは付言しておきましょう。

さて、次回第4集は越年。本当は今年中に終わる予定だったのですが、仕事の都合そうはいかなくなってしまって・・・・・でも、ベートーヴェンがかかった難聴に比べれば、です。ぜひとも来年の次回もお読みくださりますよう、お願い申し上げます。まだまだ年内、エントリアップしていきます。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第4番変ロ長調作品60
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
ペーター・シュタンゲル指揮
タッシェンフィルハーモニー
(Naxos Edition Taschenphilharmonie)

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