かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:タッシェン・フィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集2

今月のお買いもの、令和2(2020)年6月に購入したものをご紹介しています。シリーズで取り上げている、タッシェンフィルハーモニーによるベートーヴェン交響曲全集の今回は第2回です。

実はこのシリーズ、DLですがCDで収録されている内容で分けています。そのため、前回は第1番と第2番を取り上げました。そして今回は第3番「英雄」が収録されています。

第2番までは意外にも貧弱に聴こえるタッシェン・フィルの演奏も、この第3番あたりから変わってきます。第1楽章のアグレッシヴさはフルオケに引けを取りませんし、第2楽章「葬送行進曲」はむしろ室内楽に毛が生えた程度のこの編成だからこそ、さみしさというか、哀愁が漂います。むしろベートーヴェンが込めたであろう「アイロニー」すら、ここからは聞こえてきそうです。

エピソードでしかない「あ奴も凡人になり下がったか!」とボナパルトへの献辞を書いた部分を破り捨てたというのは、本当だったんじゃないかと思わんばかり、なのです。編成が室内楽程度だからこそ浮かび上がる、この「英雄」という曲に隠された真の意味が浮かび上がると思うのは私だけなのでしょうか?

第3楽章など、もうベートーヴェンが凡人になり下がったナポレオンを笑い飛ばしていると聴こえるんです。ぜい肉を極限までそぎ落とし、そのうえで演奏者がソリストとなり限界まで表現することによって開けられる真の扉・・・・・そう感じるのです。編成が極限まで小さいことにより、分厚い編成の影に隠れていた曲の暗号のようなものを感じるのです。

そう考えると、真にこの時期に来日すべきオケは、19世紀という幸福な時代を背負ったウィーン・フィルではなく、ソーシャル・ディスタンスが可能なタッシェン・フィルなのではなかったか、という気がするのです。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
ペーター・シュタンゲル指揮
タッシェンフィルハーモニー

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