かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:スペイン音楽集まれ!

神奈川県立図書館所蔵CD、今回はファリャの「スペインの庭の夜」を中心にスペイン音楽を収録したアルバムをご紹介します。

ファリャも、このブログでは結構取り上げる頻度が高い作曲家となっていますが、今回はそのファリャの中でもピアノ協奏曲とも交響詩とも言われる「スペインの庭の夜」が1曲目に収録されています。

ja.wikipedia.org

先日、マーラー交響曲第4番を取り上げたとき、「19世紀ヨーロッパの心地よさ」という視点を取り上げたかと思いますが、ヨーロッパと言っても、それは基本的にフランス、ドイツ、イタリアです。それ以外はヨーロッパとは呼ばないくらいの勢い、なのです。

それに異を唱えたのが、フランス六人組。そしてその六人組の影響はすぐさま周辺へと波及していったのです。もっと言えばドイツ音楽へと抵抗と言ってもいいでしょう。ファリャはそういった時代の影響を受けた作曲家で、だからこそ祖国スペインを題材にした作品が多く残っています。

この「スペインの庭の夜」もそもそもは同国人ピアニストへ献呈するためですし、カップリングのアルベニスやトゥリーナも同じような作曲家で、同様にスペインを題材にした作曲家です。

ですから、後期ロマン派的な部分がありつつも、むしろフランス六人組の影響下にあるので印象主義的あるいは象徴主義的です。アルベニスやトゥリーナはともかく、ファリャのは上記ウィキの「印象主義」というよりはドビュッシー象徴主義のほうに偏っているように思います。

いずれにしても、その音楽は魅力的。生き生きとしたものを内包し、けだるさだけがあるのではなく、むしろそのけだるさすら、生命の一部であるかのような作品は、聴いていて飽きません。

演奏も、ピアノがラローチャ、指揮がフリューベック・デ・ブルゴス。魅惑的にならないはずがありませんし、そんな魅惑的な演奏を常日頃から生み出す二人がそもそも魅惑的な内容を持つ作品を演奏すれば、その演奏が生命讃歌にあふれるドラスティックなものにならないはずがありません。サポートするロンドン・フィルという職人たちもまた、その生き生きとした演奏、解釈に乗りに乗り、ここに生きてるぞ!というメッセージがそこかしこにあります。

こういった演奏を聴くと、後期ロマン派の作品が2、3年聴けないなんてどうということはないではないかとすら思うのです。

 


聴いている音源
マヌエル・デ・ファリャ作曲
交響的印象「スペインの庭の夜」
イサーク・アルベニス作曲
スペイン狂詩曲 作品70
ホアキン・トゥリーナ作曲
交響的狂詩曲 作品66
アリシア・デ・ラローチャ(ピアノ)
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

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